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【PIT】ベテランTommy Phamと契約

先日のAdam Frazierとの契約に続き、FA野手との獲得です。現地2月6日にPittsburgh Pirates(PIT)が36歳のTommy Phamと1yr/402.5M+出来高$0.25Mで合意に達したと報じられました。

Phamは06年ドラフトでSTLから16巡目(全体496位)指名を受けて14年にMLBデビュー。それからキャリア11年で9チームを渡り歩き、通算1121試合に出場しているベテラン。

特に直近は動きが激しくなっており、3年連続TDLで移籍しています。22年はCIN→BOS・23年はNYM→AZ・24年はCWS→STL→KCといった具合で、3シーズンで7チームに所属しました。


▶ 2024年成績

[ G ] 116
[PA] 478
[AVG] .248
[HR] 9
[RBI] 39
[SB] 7

[OBP] .305
[SLG] .368
[OPS] .674
[wRC+] 91
[ K% ] 22.2
[BB%] 7.3

[rWAR] -0.2
[fWAR] -0.1


昨季はCWSで70試合に出場してAVG .266/OBP .330/SLG .380(wRC+ 104)とまずまずの打撃成績をマーク、TDLでTommy EdmanMichael Kopechらが絡む三角トレードで古巣のSTLへ移籍しましたが…

STLでは23試合でAVG .206/OBP .286/SLG .368(wRC+ 84)と落ち込み1か月後にDFA、移籍したKCでも23試合でAVG .228/OBP .250/SLG .337(wRC+ 59)と低空飛行のまま閉幕となりました。

Phamを語る上で、比較対象になるのは今オフにノンテンダーとなった同じ右打ちのConnor Joeです。昨季はAVG .228/OBP .320/SLG .368(wRC+ 92)でfWAR 0.5/rWAR 0.6なので、シーズン成績で比較すれば「Joeを残した方がマシ」となります。

ただ、statcastの数字を見ると印象は少し変わります。JoeがBarrel% 4.7/xBA .206/xwOBA .277なのに対して、PhamはBarrel% 7.2/xBA .263/xwOBA .319と打球の質は1-2ランク上。数字を戻してくる確率はPhamの方が高そう。

更にJoeが守ったのが1B/RF(と47.0回だけLF)なのに対して、PhamはLF/CF/RFにそれぞれ200.0回以上就いています。昨季の守備での貢献度はJoeの方が高かったものの、もしOneil Cruzが離脱すればマトモな代役がいないだけにCFの経験があるというのは大きい様に感じます。


また、Adam Frazier獲得時のnoteで「チームを替えながら3年連続ポストシーズン進出した経験を評価したのではないか」という旨を書きましたが、Phamも23年にAZで16試合・昨季はKCで6試合に出場しています。

面白いのはキャリア通算ではAVG .258/OBP .346/SLG .427なのに対し、ポストシーズン通算はAVG .315/OBP .331/SLG .492と明らかに打撃の質が変わる事ですね。

キャリア通算ではBB% 11.2と非常に優秀なのに、ポストシーズン通算37試合では2.9と四球を選ぶ気が微塵もありません。そういった打席での考え方だったり駆け引きだったりを若手へと伝える役割も期待したいです。

まぁ、そのあたりを加味すれば悪くない補強なのかと思います。本当はそれなりの予算を使って中軸にドッシリと置いておけるレギュラーを獲得して欲しいところでしたけど。

彼の獲得前はRFの候補がJack SuwinskiJoshua Palaciosなど左打ちばかりでした。Phamが入らなければ彼らとプラトーンを組むのは実績のないNick YorkeBilly Cookらルーキーコンビになっていましたし。


▶ スタメン予想

1. Tommy Pham (RF)
2. Bryan Reynolds (LF)
3. Oneil Cruz (CF)
4. Andrew McCutchen (DH)
5. Spencer Horwitz (1B)
6. Joey Bart (C)
7. Nick Gonzales (2B)
8. Isiah Kiner-Falefa (SS)
9. Ke'Bryan Hayes (3B)

現メンバーで打線を組むならこんな感じでしょうか?もし開幕が明日なら(消去法に近いですが)Phamを1番打者に入れたいです。「IKFが昨季前半の調子なら」もしくは「Hayesが23年後半の調子なら」事情は変わりますけど。

以前からAlex Verdugoらの名前が挙がっていましたが、おそらくもうOFは獲らないでしょうね。何かあれば招待選手のDJ StewartNick Solakあたりに期待する流れになりそう。

もし更なる野手のテコ入れがあるとすれば、IKFしか計算出来なる選手がいないので「実績のあるSS」か、Horwitzとプラトーンを組む「右打ちの1B」でしょう。

市場に残っている選手だとPaul DeJongJustin Turnerがいます。両方とは言わずともどちらか獲れればロスターの見栄えはだいぶ良くなります。まぁ、期待せずに待ちましょう。


《情報ソース》


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