34歳で妻子持ちが仕事辞めてデジハリ大阪に入ってcg業界を目指した事_04
↑その3の続きです。
何故か「路地裏」を作ってしまいスケジュール的に大丈夫か?な卒制の始まり始まりです。
↑何故「路地裏」を制作したのかはこの記事を御覧ください。
「路地裏」を作って良かったのはポートフォリオに載せられる作品が増えた事だけです。はい。
卒制ですが、3ヶ月課題と中間課題とやってきた事の集大成をぶつようと思っておりました。
メインで見せるのはもちろん背景です。
ただ、背景だけ見せるのは誰でも出来る事だと感じていたので、その背景をどう見せるか?を考えました。
物語性を持たせて観客にもそれを体験してもらう事にしました。
で、いつかやってみたかった事リストを遡ってピッタリなリファレンスを探し当てました。
※自分はやってみたい事表現したい事などは手帳やスマホのメモ帳に書く事にしてます。
ノートの切れ端等にも笑
2001年発売のファイナルファンタジー9の飛空艇の映像です。
もうね、20年程経ってますが今見てもワクワクしますし、この世界観がまた堪らない。
発売日当日は学校の夏休みの前の終業式で母親に頼んでセブンイレブンに買いに行ってもらった事を今でも覚えております。
デジキューブと言うのが昔ありまして…笑
確か、初回特典はビビの人形でしたっけ?
設定資料欲しかったのですが絶版になっておりプレミアム化しております。
再販売お願いします。
飛空艇で町から町へ。
それを制作しようと決めました。
卒制のブレストは、今回は物語を文字だけにしてコンセプトアートを用意。
ああだ、こうだ言いながら貴重な意見を頂きました。
ありがたい、ありがたい。
今回、ブレストで初めて指名されたのには驚きました笑
その時、少しボヘっとしてたら「youさん、何かありませんか?」と急に言われた時はとても慌てた。
良い意見を言えたかな??
最後のブレストという事もあり、ブレスト夜の部にもお邪魔しました。
新しい校舎になってからブレストも2部に分けられたんですよね。
やりにくいです。
※今は一度にやってるのかな?
卒制作業スタートです。
とりあえず、スケール感を把握したかったので主人公でもある飛空艇の方から作っていきました。
FFみたいなゴリゴリのデザインではなく、現実のお船(小型貨物船)を改良したようなデザインにしました。
以外とパーツ数が多く(特にプロペラエンジン部分)て難儀しましたが根気よくモデリング。
後のUV作業とテクスチャ作業は、、、まぁ、、腕が死にました笑
飛空艇が出来たので、メインでもある背景作業です。
今回は物量的にヤバいと最初から分かっていたので使えるものは使うと言う精神で望みました。
まず、建物類はkitbashと呼ばれるすでにモデリングされた物を使用。
植物はquixelのmegascanを使用。
megascanはquixelが提供している高品質なアセットモデルです。実物か?と思うようなアセットモデルが大量に提供されておりますが使用する上で注意が必要です。
UE4で使用する分には無料なのですが、他のツール(Maya、Blender等)で使用する時はお金を払わないといけなくなります。
ここを履き違えている人が結構おりますので使用する際は注意して下さい。
背景も作る前に都市の設計図も描いております。
詳細な設計図ではなく「こんな感じ?」くらいのものです。が、やはりあるとないとでは違います。
背景作業は、飛空艇をスケールの目安として、設計図を元にブロックモデルからしていきますが、結構広大な背景になりました。
飛空艇が米粒みたいですw
位置関係などを確認出来たら、いよいよ本格的にモデリング作業です。
今回は崖などのモデリングにZbrushを投入。
artstationで販売している崖ブラシなるもので良い感じの崖や地面になるようにスカルプト作業をしベイク元となるハイポリゴンを作成。
ハイポリゴンを複製して、ポリゴン数を下げてローポリゴンにしていきます。
このままZbrushの方でUV展開できるのですがやり方がわからないのでMayaの方で展開。
SubstancePainterに持っていきローポリゴンにハイポリゴンをベイクしてNormalマップを作成します。
これで、中身は少ないポリゴン数なんですけど見た目は超リッチなハイポリゴンに見えます。
ハイポリゴン扱えるPCがあればこんな事しなくていいんですけどねw
そんな方法を駆使しながら背景作っていきます。
慣れるまでは大変でしたが慣れてしまえばね。
UV展開と一緒デス。
出来たモデルをUE4に持っていって並べていきます。
神になったつもりでその世界を作っていきます。
神です。
全部で6つのフィールドを作ったと思います。
1つ目は旅立ちの岬。
2つ目が風車の国(入り口から王国まで)。
3つ目が嵐突入前。
4つ目が嵐の中。5つ目が旅立ち岬の入る所。
6つ目が港。
kitbashの建物の品質が良かったので自分の作った崖が馴染むのか不安がありましたが違和感はさほど感じられなく良かった。
※4つ目の嵐突入は後で書きますが難儀でした。心身共にボロボロになりながら作ったと思いますw
設計図のおかげで思い悩む事なく配置できたかと思います。
設計図大事。
アニメーション作業突入です。
最初に見せたいショットを描いて、そこに向かってカメラの動きや飛空艇のアニメーションをどうしようかと絵コンテを描きます。
さらにiPhoneで実際に撮ってみてどう映るのか?を確認。
今回のアニメーションは全てUE4の中で完結してます。
中間課題のロボットのアニメーションはMayaでアニメーションを付けてベイクしたのをUE4にインポートしておりました。
飛空艇や風車の羽はブループリントを使用して自動的に回しております。
最初は手付でしようとしたんですが、数が多すぎてイライラしていたんですよね。
で、ブループリントで自動的に回す方法を見つけて実践してみたら簡単に回ったので良し!!
所々楽してますw
何回も再生して飛空艇とカメラのタイミングを合わせたり、メッシュをその時だけ移動したりして1カット毎ちゃんと印象的に映るように心がけました。
おかげで1カット仕上げるのが牛歩になって後々自分の首を締めるんですけどねw
で、今回色味調整等はUE4で出来ることは全部しようと考えてUE4に標準で搭載されているPostProcesVolumeを使用。
これを使用すれば一発で色んな事が出来ます。色味調整やレンズ効果、ゴッドレイ等など。
後工程の工数をどうにかして減らす役割にもなっています。
が、編集になるとやはり拘ってしまって結局時間がかかるんですけどねw
飛空艇が風車の国への道中に表示される地図はブラウザで地図をペイント感覚で作れるサイトを発見し作成。
無料版だと大きさに制限があったので4枚書き出してphotoshop でレタッチして合成してます。
後はaftereffectsでエフェクトとカメラの動きを付けてあのシーンは成り立ってます。
で、嵐です。
ここはね、もうね、大変だった。
突入する所まではカット割はスムーズにいってたんですよね。
突入してからです。
どうしたもんか〜、を提出期限の1週間前になるまで考えあぐねていました。
その間は他のカット割が続々とレンダリングされて編集作業をしてたんですけど肝心な嵐ですわ。
大体の嵐の中は出来ていたんですけど、その時皆んなから痛いダメ出し祭りを受けたんですよね。
その時の帰り道は少し泣きそうでした笑
リファレンスでラピュタの竜の巣のシーンとかFF9のオープニング等を見てたら「嵐のシーンって長い様で短いんだな〜」と。
で、提出までの時間(その時、1週間前とか)を考慮しての嵐のシーンのコンテを描き直してカットを何とか作りました。
もうね、この時が吐き気マックスだったんじゃないですかねw
今でも、嵐のシーンは分からないと揶揄されますw
編集作業は毎度おなじみのAfterEffectsとPremierProとの合わせ技です。
音楽は海外で映像音楽の専門に取り扱っているサイトでサブスクを契約して使用。
もうね、良い音そろっていてバッチシの音がゴロゴロですよ。
で、映像と合わせたら本当にバッチシで壮大な世界観が演出できたのではないでしょうか。
自画自賛です。
学生としての最後の作品だったので、企画当初から考えていたのが最後に自分の子供の声を入れようと考えておりました。
自分も学校の時は夜遅くに帰ってきたり、朝早くに出かけたりしていて奥さんにも子供にも寂しい思いをさせていたと思います。
その心情を「パパ」と言うセリフに込めました。
子供と一緒にお布団被って「パパって言ってごらん」と演技指導w
良いセリフが録れたんじゃないかと。
プラス、最後のシーンの写真も家族の写真を合成しておりますw少し見にくいですが。
で、エンディングを付けて「1フレームの攻防」をして完成です。
4分超えの大作が出来上がりました。
提出した時は感無量でしたね。
提出期限の1時間前だったかと思います。
C先生に見てもらったら「最後のセリフはズルいですね〜」と感想を頂きました。
発表当日を迎えます。
ここまで残った人達だったので発表する作品がどれも素晴らしかった。
で、自分の番になり発表。
今回先生の講評は結構厳しめな印象を受けました。
やはり、最後だからなのか「最後の愛のムチ」と受けとりましたw
本当は夜の部も見たかったのですが、人数制限をかけられてしまい断念。
午前の部の人達だけで軽い打ち上げです。
進路の話題から必ず出るよね恋愛の話題だったり、先生の講評が厳しめな話題で盛り上がりました。
そこから、1週間のブラシュアップ期間が設けられており、その後は遂に修了式(卒業式)です。
修了式ではUIUXクラスとの合同で行われます。
3dcgクラスの人達は1人1人前に出て自分の卒業作品をお披露目します。
デザインクラスの方達は自分達の発表が恥ずかしいくらいのプレゼンで自分のデザインした事を発表しておりました。
で、ここで卒業作品を発表出来た人だけが修了書が貰えます。
※当日発表出来なかった方は後日スタッフの方と相談の上、個別で対応だったかと思います。
それから、今までの出席率、作品提出、クオリティを総合的に判断してクリエイターズオーディションのメンバーが決まります。
判断するのは先生と事務員とTAの方達。
その時は自分含めて10人選出されました。
事務の方からオーディションに選ばれた人達への今後の予定が発表され、タイトなスケジュールにゾッとします。
それからクラスの皆んなから先生へのサプライズプレゼントを贈って驚かせたりと修了式は幕を閉じました。
その後は行ける人だけで打ち上げに行きました。
クリエイターズオーディションのタイトなスケジュールにげんなりしながらこの先の労を労いした。
休む間もなく、オーディションへの準備作業が始まります。
本当に休む暇ないです。
これが他専門学校で教える3年を1年に凝縮したカリキュラムですw
※自分が前に行っていた学校と比べるとです。
その方が緊張感を保ったまま学習出来たと思います。
1年間のカリキュラム自体はこんな感じです。
最初はゆっくりで物足りなさを感じる学生がチラホラおりますが中間、卒制辺りなるとスポーツカー並みに授業スピード上がりますのでご心配なく。
次の章が本当の終章です。
クリエイターズオーディション〜就活~就職までです。
ーその4終ー
※この記事は、2020年8月〜11月の期間の事を書いてます。カリキュラム自体が当時とは違う事があるかもしれませんがご了承下さい。