見出し画像

痕跡を残さない、影響を最小限に

環境への影響は、台風・大雨・地震・火山噴火等の自然現象も環境へ影響を与える。野生動物もそうだろう。
ただし、環境へ多大な影響を与える人間だけが、考え行動することができる唯一の存在ではないか?
学び、経験を得て自分の行動に影響をあたえる。

LNT(Leave No Trace)

Leave No Traceとは、環境に対するインパクトを最小限にして、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラムであり、すべてのテクニックが、7つの原則を基にしており、誰にでもわかりやすく、楽しく実践することができるというもの。
海外において、アアウトドア レクリエーションへのオーバーツーリズム等で荒れていく自然に対して、現状への影響を少なくし、いかに残していくかから派生した活動である。なので、日本の現状と合うかどうかは意見はいろいろだ。
また、団体としてのLeave No Traceは環境保護団体であると同時に、研究機関・教育機関・コンサルティング機関でもある。


LNT7原則(The 7 Principles)

LNT7原則は、環境への影響を最小限にするためのわかりやすい基準を表しており、バックカントリーで生まれたものであるが、我々を取巻くあらゆる環境(自然環境、都市の公園、家の庭に至るまで)に応用することがでるというもの。

原則1 - 事前の計画と準備(Plan ahead and prepare)

・行き先のルールや注意することを知ろう
・悪天候や緊急時に備えよう
・ピークシーズンや混雑する時間帯を避けよう
・できるかぎり少人数のグループで活動しよう
・できる限りゴミが少なくなるようにパッキングしよう
・標識に頼らずに地図とコンパスを使おう

原則2 - 影響の少ない場所での活動(Travel and camp on durable surfaces)

・指定地、岩、砂、雪、乾いた草など頑丈な土地の上で活動しよう
・キャンプサイトは水辺から60m以上離れたところに見つけよう
・よいキャンプサイトは作るのではなく見つけよう
よく使われている場所では
・指定のトレイルやテントサイトを利用しよう
・トレイルがドロドロでも真ん中を歩こう
・キャンプサイトは植生が少ない場所にできる限り小さく設営しよう
ほとんど使われていない場所では
・人が入っていないところではキャンプサイトや歩行を分散させよう
・インパクトが始まりかけた場所は避けよう

原則3 - ゴミの適切な処理(Dispose of waste properly)

・すべてのゴミや食べかすを持ち帰ろう
・キャンプサイトや休憩場所を離れる時にゴミを確認しよう
・トイレは水辺、テントサイト、トレイルから60m離れたところに見つけよう
・トイレは20cm程度穴を掘って行い、終わったらしっかり埋めよう
・トイレットペーパーは持ち帰ろう
・食器は水辺から60m離れたところで、必要最小限の天然洗剤で洗おう
・食べかすはこし網で取り除こう

原則4 - 見たものはそのままに(Leave what you find)

・文化的、歴史的遺跡は触れずに見るだけにしよう
・石、植物等すべての自然物は置いて帰ろう
・外来生物を運んだり、持ち込んだりするのを避けよう
・木で何かを作ったり穴を掘ったりしないようにしよう
・キャンプサイトはもと通りにしてから出発しよう

原則5 - 最小限のたき火の影響(Minimize campfire impacts)

・できる限りストーブを使うようにしよう
・たき火をするときは焚き火台やマウンドファイヤーを使おう
・たき火の大きさは必要最小限にしよう
・薪には手で折れる程度の落ちている枝だけを使おう
・すべての薪が灰になるまで燃やそう
・灰は完全に消火してからバラまこう

原則6 - 野生動物の尊重(Respect wildlife)

・野生動物は遠くから観察しよう
・野生動物にエサをあげないようにしよう
・食べ物に野生動物が近づかないようにしよう
・ペットはいつもつないでおくか、家に置いてこよう
・子育てや巣作りなどをしている野生動物には近づかないようにしよう

原則7 - 他のビジターへの配慮(Be considerate of other visitors)

・他のビジターの体験の質を保とう
・他のビジターとスペースを譲り合おう
・他のビジターとすれ違うときは登りの人を優先しよう
・キャンプや休憩はトレイルから離れて行おう
・自然を静かに楽しもう

LNTトレーナーコース

今回はLNTのトレーナーコースのレベル 1 インストラクター コースに参加した。
LNTのワークショップを通じて基本を学ぶコースとばかり思っていたら、このコースは7原則の基本的な概念と”ワークショップの指導法”
そう、”指導法”を学ぶコースなのだったのだ!
自分以外の参加者は、既にアウトドアレクリエーションやガイドのプロフェッショナルな方々である。
7原則の一つを各個人に割り当てられ、それについて各自で考えたワークショップを参加者に対して実施して意見やアドバイスを受けるというもの。
No 知識、No 準備で参加してしまい、その場で対応するという情けない状況ではあったが、学ぶものも多かった。いや、ほとんどが学びだったことは言うまでもない。。

ワークショップ実践

LNTには既にいろいろなワークショップが準備されている。
しかし、この講習では地震で考えたワークショップを行う。
自分以外の参加者のワークショップは事前にフリップや論理武装、ワークショップの内容のエビデンスの確認などちゃんとしているのは当たり前で、それ自体を楽しませてくれた。

参加者のフリップの内容を学ぶ?盗む?
ここまでするのかっ!いうほど
一時期はやった言葉ですね。

”野グソ”ワークショップ

参加者のワークショップはそれぞれ2回実施。
その中でも印象に残ったのは、原則3のワークショップで”野グソ”をテーマにしたものだ。
野外活動での課題、ストレス、気になる行動の一つである。
もしかしたら原則1で最小限に抑える準備をすることも重要なのかもしれないが、健康や体力に影響を与えては元も子もない。
詳細は省くが、この”野グソ”を対象に長年研究されている方がいると聞いて
ビックリ(゚д゚)!
気になる人は以下をクリック
糞土師という人
糞土研究会

キャットホールのワークショップ
形や造形?には意見が様々だ。
ぷーぷーリレー

"自分の行動に影響をあたえる”ということ

”原則”と聞くと、何か守らなければいけないルールや規則に感じてしまう人も少ないだろう。
そうではない。
”原則”を理解し指針・基本として、実際の行動は、人それぞれが置かれた状況や環境に合わせていいモノだと思う。
人それぞれが、置かれた状況や環境に合わせると、矛盾や意見の対立がでてくる。
それでいい。
”LNT7原則”を共通認識・言語として話し合うことも重要なのではないかと思う。
環境とは自然だけではなく、そこに訪れる人々も含まれる。それらを考え、配慮し行動できるか、するか。
コースを受講せずに、LNTのホームページを覗いてみるだけでもよい。
何かの気づき、自分なりの理解や解釈できるだけでも、自分の行動に影響をあたえるだろう。
Leave No Trace Homepage
Leave No Trace Japan Homepage

以上!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?