偏るから、真ん中がわかる
安定志向
みなさん、こんにちは。
最近、多くの人が安定志向を強く持っているように感じます。
現代では、商品を買う時も口コミやSNSで情報を集めてから買うことができます。またAIの進化により、自動で個人の好みにあったものを勧めてくれるようにもなりました。
何気なく生活していると自分以外の価値観に触れずに過ごしてしまいます。
それは、興味のないものや嫌なものに触れない為、失敗を少なくし、安定させられるのかもしれません。
しかし、そのような生き方は、人として浅く、考え方の幅が狭くなってしまいます。
自分と違う考えを知ることは、自分の考え方も広がります。また、安定を求めて失敗を避けていると、経験値の少ない浅い人間になってしまいます。
私は、最近、自分以外の考え方に触れ、考えが広がった経験があります。
両極端を知る
私は、週2〜3日は仕事帰りに練習場に行き、ゴルフの練習をしています。しかし、日頃から練習をしていても、打ったボールが右に曲がったり左に曲がったりして中々まっすぐ打つことができません。
そこで、少しでも上達しようと、先日、ティーチングプロのレッスンを受けました。
その際、「右や左に曲げる練習をしましょう。」と言われました。私は普段安定してまっすぐ打つ練習を行ってきた為、そのギャップに困惑しましたが、とにかくやってみました。
いつもの打ちやすい立ち位置ではなくボールとの距離を極端に近くしたり遠くしたりする練習や、テークバックを極端に内側や外側にしたりして打ちます。
そうすると、球はまっすぐ飛ばず、大きく曲がってしまいます。
では、なぜ、このような練習をしたのでしょうか?
それは、両極端を知ることで真ん中が分かり、調整することができるからです。
例えば、右に大きく曲げるところから少しずつ、真ん中に戻していきます。そうすることで、改めて自分の真ん中を知ることができるのです。
また、体の調子によって右に曲がる日もあれば左に曲がる日があります。左に曲がる日は、少し右に曲がる動作をすることで調整をします。そして、良い塩梅でまっすぐ打つことができるポイントを探すのです。
これは、多くのことに共通することだと思います。どちらかに偏ることで、自分のちょうど良い塩梅が分かり、調整することができます。
幅を広げ、調整する
飴と鞭という言葉があります。
日頃、子供達と関わる中で、厳しさが必要な場面もあれば優しさが必要な場面もあります。
しかし、教員になったばかりの私は、厳しくすることでしか子供達を指導することができませんでした。
甘やかすと子供達は、好き勝手してしまい、まとまりがなくなってしまうと思い込んでいました。
そのような思い込みから、とにかく子供に厳しく接しました。それは、今思うと自分の価値観を理不尽に押し付けていただけだったかもしれません。
そのような状況だったからこそ、学級経営もうまくいかず、子供達は萎縮し、伸び伸び活動できないばかりか、徒党を組み、反発する子供も出てきてしまいました。
あの頃のことを思い返すと、本当に悲惨な学級経営だったと当時の子供達に申し訳なく、胸が締め付けられます。
逆に、子供達に優しく接した時期もありました。決して怒らず、子供達の話をよく聞き、優しく接していました。
そうすると、子供達は、どこまで許してもらえるのかと、こちらの様子を注意深く伺ってきます。
どんどん規律が無くなり、トラブルが増えました。
どちらの過去もよい思い出ではなく、失敗として私の心に強く刻まれています。しかし、その経験があったからこそ、目の前の子供の発達段階や時期などの実態に合わせて厳しさと優しさを調整することができます。
いつも同じように安定して行うことも大切ですが時にはあえて偏らせることでわかること、見える世界があります。
真ん中しか、知らない人は真ん中でしか解決する方法も持ち合わせていません。両極端を知ることで、対応できる幅が広がります。両極端を知るということは、調整力を高め、対応できる幅が広がるということです。
偏るということは、バランスを崩し、安心や安定を手放すということですが、勇気を出して偏りを経験することは、自分の世界を広げてくれます。
また、最近は、失敗を悪とし、恐れる風潮が強いです。失敗を知ることで成功に必要なエッセンスを知れることもあるはずです。
安定を求めて留まるだけでなく、さまざまな考え方に触れながら自身の経験値を増やしていきましょう!