沼津レポート〜寂れかけの商店街や街を活性化させるための魔法〜
令和元年初noteは先日沼津に訪れたときに出迎えてくれた友人(榊みやこ&鬼頭哲也&加藤康治。以下YPN組)にインスパイアされて書き始めることにします。
平成の終わりかけの4/23〜26の早朝まで沼津に滞在していました。
人口減少も目に見えてきているし、ラブライブ特需もそろそろ限界な沼津にどうやって人の導線を作っていくのかを考える勝手に沼津ソンを開催していたのです。
この沼津滞在期間で、たった1日でNPOを立ち上げたり(後日経緯公開。なお公式サイトはできている)、沼津で未開拓だったサブカルの拠点を見つけたり、貿易商品を見つけたりと沼津に訪れる理由がいくつかできた。
今回はそんな沼津滞在で生まれた「シェアリング床」について。
遠くからでもここに訪れたくなるキラーコンテンツとして、いたくないのにダラダラいてしまう導線を作ることができるものとしてこれを発信していければと思います。
廃れゆく自分たちの好きな場所を盛り上げるためのコンテンツを探している人にオススメなコンテンツであると思いますのでぜひご覧ください。
元気なのは中華料理屋だけだった。
小腹が空き始めた午後六時。
僕と婚約者であるマチマチの二人は沼津に降り、三人の友人に出迎えられて沼津最大のアーケードである仲見世商店街をまわることにした。
「ラブライブで人が来ているのに、その人たちが買いたい物が何一つない商店街なんだよね。」
コラボグッズはたしかに売っているし、駅前にあるユウダイサンにはラブライブの人向けの特設ショップもある。
けれども、肝心な仲見世商店街自体は寂れたアーケード街そのもので、空いているお店が少ないし、お店が空いていたとしても明らかに時代についていけてない感じのお店ばかりだった。
沼津市は当然市内での起業を推進する助成金などを出しているものの、商店街にある新しいお店は中華料理屋ばかり。
正直な話、ここの中華はどれも美味しいものばかりだったために、地産食材を使った食べ歩けるものが一切皆無だったところにこの商店街の限界を感じた。
どうしても沼津地産のものが食べたかったので、沼津駅前で唯一地産食材を取り扱っていそうな駅前の「しずてつストア」に訪れる。無事に食材を獲得。
この日は海で焚き火をしながらご飯を食べて終了。
それ以降、沼津で観光らしいことをしたのは沼津港で豪華海鮮丼を作るためのお魚を仕入れに行ったくらい。
朝市といえば、いつも八戸陸奥湊の朝市みたいなご飯を買って自分でお刺身を盛り付けて海鮮丼をつくるようなものか、下関の唐戸市場みたいに新鮮なお魚と大量の寿司が並ぶようなものを期待するが、残念ながらここはそうではなかった。
横のつながりの薄く、いかにも観光客を奪い合うような雰囲気を感じてしまった。お魚は美味しかった。
コワーキングスペースを作れば、街が活性化するわけではない。
その他、駅前のコワーキングスペースだったり、商店街の中にあるリノベーション関連のイベントに行ったりしたけれども、いまいちここだ!と思うものが少なかった。
ようやく、フリーランスの働き方が一般的になったのか、コワーキングスペースがこういう地方都市の中にもできるようになったのはありがたい。
ただ、コワーキングスペースが増えたとしても、そこで働いている人同士での交流が生まれなかったら意味がない。
というのも、コワーキングスペースなんて今やどこにでもあるし、場所を選ばないフリーランスであるからこそ、その土地に愛着を持てなかったり、一緒に仕事をしたい誰かがそこにいなかったら、簡単に大都市へと流れてしまうからだ。
沼津のコワーキングスペースもその例に漏れず、コワーキングスペース内での交流が生まれないことを問題にしていた。
ただ、僕としてはコワーキングスペース内での交流を産みたいの裏側に「いやらしいなにか」が潜んでいるのであれば、そこをどうにも冷めた目で見てしまう。
そのようなコワーキングスペースで、第三者の思惑が渦巻くような空間で交流が生まれるの中で交流をしたいと思う人などいるのだろうか。
沼津再生の鍵は図書館とサブカルスペースにあり?
地方都市には遊ぶところがない。
それは単に遊べる施設がないのではなく、遊んでいる人が少ないからだ。
遊んでいる人は優れたアイデアのカケラを多く持ち寄ってくるし、遊びを全力で楽しんでいるからこそ、今までになかったような楽しみ方を生み出してくれる。
仕事をしにくる人や、仕事を生み出して欲しい人が作る場、仕事が欲しい人が集まる場はどうにもこうにも面白いものを生まない。
面白いものが生まれる場所を探すため、観光案内をほどほどに僕はYPN組と共に、仕事とは正反対にある沼津のサブカルを調べることにした。
そして見つかったのが沼津市立図書館とコミュニティーバー・camp。
沼津市立図書館は計画段階ではあるものの、中の人たちが頑張っている動きがある。
そもそも、図書館は勉強半分、理由なく暇つぶしに訪れる人半分で、コワーキングと遊びの機能を調和させることができる装置であると考えているので、ここにはもともと目をつけていた。
campに関しては、来沼する1ヶ月前にできたばかりのコミュニティバーで、沼津唯一の「しょぼい起業」をベースにしたサブカル臭満載のバー。ただ、内装はめちゃめちゃ綺麗。
面白い人を呼べる箱がここにあり、沼津の人とオープンに関われる場所がここにある。
だけど、沼津のことを、沼津の名前すらも知らない人にとって、これらを沼津を訪れる導線として扱うことは難しい。
「北くんだったら、どういう切り口で沼津を知ってもらう?」
愛着もない、有名なものもない、いいところはあるけれどもその上位互換が各地に存在する。
それでも沼津を選んでもらうために、僕はある秘策を思いついた。
「足りない寝床」が商店街を救う。
「いつでも誰でも泊まれる床をつくりましょう。」
無料で泊まれる場所があれば、人はどんな場所からだってやってくる。
大阪松原と東京メトロの終着地・和光でまさにそれを実践していた僕らにとって、それを理解するのは容易かった。
もちろん、それを自己犠牲としてやるつもりはない。
僕らは、本当に宿に困った人にとって、屋根と壁と寝転がれる場所があってアクセスがよければ、おしゃれな内装もシャワーも設備も何もかもどうでもよくなるということを知っている。
そして、勝手に立ち上がった「宿」がホテル業界を脅かす存在であるために、それらが大いに規制されたことも知っている。
ならば、シャッター街として閉じられているスペースの床を解放し、充電やセキュリティやシャワーや寝袋なんかを周辺から調達してもらえるようにすればいいのではないか。
なんだったら、ホテルに協力してもらって風呂はホテルで有料で借りるとかができればいい。
床だったらセキュリティとかプライバシーとかそういうのを気にする人を寄り付かせず、床目的でくる面白い人たちが集まってくるのではないか。
さらに、0円でねれる場所があることで、滞在日数が伸びて、結果として沼津のことをよく知ってくれるのではないかと。
そのアイデアをシェアしたところ、早速YPN組がそれを立ち上げてくれた。
YPN組だけではなく、シャッターで誰からも見向きされないようなところを、シェアリング床としてどんどん解放していきたい。
もし、これを見た人でシェアリング床やってみたい!という人がいれば、一年間自宅を無法地帯にしていた私たちが相談に乗るので、是非ともお声がけいただきたい。