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【雑記】18きっぷはそのままかもしれない〜18きっぷヘビーユーザーが語るリニューアル後の対応〜
去年の11月、18きっぷの突然の仕様変更により多くの旅好きが涙したわけですが、新仕様になってから実際どうだったのかという意識の変化を書いた記事があまり多くない。
結論から言うと、なんやかんや18きっぷをみんな使っているのではないかと思う。僕個人としても、18きっぷ遠足として子どもたちに使わせることはしないものの、毎シーズン結局18きっぷを買うし、以前よりも多く買うこともあるかもしれない。
というのも、どんなに予定が詰まっていても、実は18きっぷの方が運賃が安いケースが多い。
新しくなった5日間連続という縛りも、逆に言えばたくさんの旅の可能性を秘めていると感じている。
ただ一つ、今回の仕様のままだと明確に排除されてしまうユーザーもいる。そこは記事の最後で要望として書き記しておくことにしよう。
リニューアルした青春18きっぷについて
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これまでの18きっぷは5日分として販売されており、複数人で1枚の切符を分け合ったり、期間中であれば好きなタイミングで使えていた。
しかし、去年の冬シーズンから導入された5日間連続使用というルールは、そんな自由な使い方を大きく制限してしまった。
みんなで分け合うことも、たまたま気が向いたときにさっと出かけることも、もうできなくなってしまったのだ。
これだけの非難にもかかわらず、18きっぷが元の仕様に戻らない理由
この仕様変更の批判は凄まじいもので、反対署名で3万人以上のそれを集めるほどだった。
にもかかわらず、2025春シーズンも同じ仕様であったことはJR側として続ける理由を大いに含んでいたということを示している。
まず、リニューアルによって自動改札への対応が実現し、現場での駅員の負担は大幅に軽減された。不正に利用されている18きっぷをチラリと見せて、その場を強行突破する人はこれによって確実に減ったと思われる。
これはどの記事でも耳にするところだろう。
また、もともと自主企画で遠征を行う際には18きっぷをよく利用していたが、夜行バスを使わない場合、片道5000円以上かかる移動を考えると、やはり18きっぷで済ませた方がお得になる場合が多かった。
もちろん、もっと安く移動したい人は夜行バスを選べばいいし、夜行バスや宿が高くなりやすい土日や長期休みの旅行を断念すればいい。
そんな遠征の用事がシーズン中に日を空けて複数回起こるようなことがあれば、改めて18きっぷを購入することになる。結果として、買わない人は増えたものの、買う人の購入枚数が増えたことによって、それほど18きっぷの売り上げは落ちていないのではないかと考えている。
18きっぷの企画屋としての18きっぷ活用
僕はよく、東京行きのために5日分の18きっぷを買うと、実際には2日分が余ってしまうという状況に出くわす。
だが、その余った2日分を活かして、例えば関西圏の日帰り旅行で片道2500円以上の運賃がかかるエリアへ足を延ばす――いわば「半強制的に旅をする」機能は、リニューアル後も健在だと思う。実際に、前回の冬シーズンの際には遠足企画を4日間しか行えなかったことから、残りの1日で日帰り旅行にでかけるなんてことをしていた。
さらに、企画の面でも、わざわざエリアを跨ぐような引率をせずに、現地集合・現地解散型の日帰り旅やエリアを絞った旅企画であれば、各地のJR各社が提供する乗り放題切符をうまく活用できる。
鈍行列車で日本中を旅するというコンセプトは半ば失われたかもしれないが、エリア限定でも1日6時間以上の移動を有する場面も多いことから、十分に満足度の高い旅が楽しめるはず。実際に、去年の夏に北海道旅をそのスタイルでやったが、子どもたちからはかなり好評だった。
18きっぷから排除された、排除されるべきでない人たち
とはいえ、リニューアルの仕様変更により明確に排除された層が存在する。
それは、小学生以下の子どもたちだ。18きっぷで彼らが元を取ることは、どんなに頑張っても不可能に近い。3日以内あるいは5日以内に最低限東京から広島(片道15時間半)まで行かないと元を取ることができないので、その割安感は大きく薄れてしまう。
また、エリアを跨ぐ旅についても普通の切符や各乗り放題切符を使った方が圧倒的に安いのもある。例えば、大阪から北海道に向かう場合、大阪からJR東日本エリアまで普通乗車券を利用し、そこから北海道東日本パスを使う方が断然安い。大阪〜敦賀(こども1160円)の切符を買い、北陸おでかけtabiwaパス(こども1160円)を利用するのが最も安く東日本エリアに乗り入れることができる手段だ。
同様に、四国へは南海フェリー(なんば〜徳島で子ども1250円)で徳島に侵入し、そこから四国フリー切符(3日間6000円)を使うほうが得策だし、九州も片道5000円程度で、こだま限定とはいえ新幹線に乗れるとなれば、やはり18きっぷを使わないほうが快適で安い旅になることが多い。
そもそも、18きっぷは若い人たちに鉄道旅の楽しさを伝えるためのものなのに、その主たる対象である子どもたちを取り残してしまってよいものなのか、僕は疑問に思う。
18きっぷ改善案の要望
そこで、ひとつ要望を述べておくならば、大手私鉄とJRが垣根を越えてエリア乗り放題を提供しているKANSAI MaaSのような切符の提供を、JR各社でもぜひ実現してほしい。
そもそも、磁気切符が壊れやすいという問題もあるし、JR各社もそろそろ磁気切符を廃止する方向に進んでいるという話を聞く。
JR四国の「スマえき」のように、QRコードと画面表示を組み合わせるタイプの切符であれば、改札での混雑も緩和され、不正利用も防げる上、5日分をバラバラに利用できるという柔軟性も持たせられるのではないか。
さらに、子ども料金の設定も強く希望したい。
鉄道旅の魅力を次世代に伝えるためには、子どもたちにも使ってもらえる切符でなければならない。秋の乗り放題パスのような仕組みを参考に、もっと子どもたちが手に取りやすい設定になってほしいと心から願っている。
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