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【雑記】夢の後。ポケモンのアニメ最終回を見て
先日、アニポケの主人公のサトシが26年におよぶ冒険を終え、最後の冒険?へと旅立った。
95年生まれの僕はまさにポケモンと共に生まれ育ったと言っても過言ではない。物心ついたときから、当たり前のようにポケモンのグッズやゲームに囲まれていた。
youtubeで4/14まで見れるらしいから、サトシの冒険を一度でも見たことがある人でまだ見ていない人はぜひ見てほしい。
サトシ10歳で描かれるサトシ36歳
先に僕自身ここ最近のアニメポケモンを見たのはサトシがチャンピオンになったダンデ戦4本とこの回だけだ。また改めて最終シリーズの12話を見れば感想が変わるかもしれないことは今のうちに言っておく。
カスミやタケシと別れた後、サトシは故郷・マサラタウンに帰る。
アニメは帰宅後のサトシの日常を中心に描いているが、サトシとピカチュウに同じく全てのシリーズに出演していたのがロケット団のムサシとコジロウとニャース(+ソーナンス)のその後も描かれている。
ポケモンマスターになるという夢のために26年も冒険を続けていたサトシ。当然、アニメでは10歳の姿のままだが、彼の培った経験をたった一年でやったというのはいくらアニメでも無理があるだろう。
帰る場所はあるけど、帰る日常がどこにもないサトシ
一緒に連れ添った始めの仲間であるタケシとカスミは、ゲームの中ではジムリーダー。旅を終えて家に帰ればジムリーダーとしての職務があるだろう。
幼馴染のシゲルはポケモン研究者としてオーキド博士の手伝いをしつつも自分の研究もやっている。
かつてのヒロインたちも皆それぞれの夢に向かってサトシに見送られてきた。
彼らは誰もが旅を終えたときに自分の仕事に戻ったり、目標となるコンテストの優勝を目指した。つまり、次のゴールがある。
しかし、サトシの目標は「ポケモンマスター」になる。
そして、このアニメはポケモンマスターとは何かを最後まで教えてくれなかった。
つまるところ、アニメポケモンのこの世界にポケモンマスターなんてものは存在しない。
サトシは帰った後、学校にも行かないで家でのんびりしたり、外に出たりして日常を過ごしている。帰ってきたサトシの日常にはママとポケモンだけ。
ピカチュウと一緒に朝出かけ、どろんこになって帰ってくる。そんな毎日が過ぎていった。
ある日、サトシは旧友のシゲルと再会する。
「君はどこまでポケモンマスターに近づけたかな」
久しぶりに再会したシゲルからサトシは問われる。
夢を追い続けると必ず直面する「絶望」
夢を追い続けると、必ずたどり着いてしまう絶望がある。
それは「夢が叶った」という絶望だ。
夢を追い続けている間はそれなりにやることがある。
しかし、叶えてしまった後はどうだろう?
ドラクエで魔王を倒した後、勇者は何をするのか。
ポケモンリーグでチャンピオンを倒した後、トレーナーは何をするのか?
もっと身近な話をするのならば、憧れの仕事に就いたり、行きたかった大学に合格した後、何をするのか。
夢を叶えても人生は終わらない。
ブッタが悟りを開いてもすぐに死ねなかったように、イエスが志半ばで十字架にかけられたりしたように、己の手で「人生」はコントロールすることができない。
西郷隆盛が一度自殺に失敗したように、死のうとしたって死にきれないときもあるし、そもそも死にたいと思っていてもなかなかその痛みに進むことを耐えられない。
人生の終わりのタイミングは誰にもわからない。
あした隕石が落ちてきたとしても、僕たちは生き残ってしまう場合があるし、電車を待っていたら後ろからぶつかられてホームに身を投げ出してしまうときもある。
「n番目の人生」をはじめよう
自分の人生に"章"を振るなら今何章目だろうか。もちろん、何章までかなんて考えなくていい。
僕の場合は13章目くらいだと思う。どんなに凹んだって、どんなに成し遂げたと思ったって、次の章や容赦なくやってくる。高校卒業するまでが第3章だったから、ここ10年ですごいペースで人生観のアップデートが繰り返されている。
長い旅が終わったら、今の人生に退屈し始めたら新しい人生を始めちゃっていい。
切り替えて前に進めとばかり言われ続けてきたんだったら、しばしの休息として3年くらい今いる環境に甘えちゃってもそれはそれでいい。
何かが終わったとしても、人生は終わらない。何かの区切りが来たらあえて休んじゃうのも悪くない。
そして、サトシは新しい人生を始めた
今思えば、サトシがこの絶望を真に味わったのかはわからない。
しかし、サトシは自分の夢である「ポケモンマスターになる」がまだ叶っていなかったことに気づき、再びポケモンマスターを目指す旅に出る。
それはワールドチャンピオンシップで優勝して世界最強のポケモントレーナーの座を得ても叶えられなかった目標だ。
キッズリターンから引用すれば「ばかやろう。まだ始まってすらいねーよ。」ってことなのだろう。
終わりも始まりも大して変わりはない。もう少し人生をいきてみようじゃないか。
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![コミュニティ貿易商・北 祐介 @seizogakuen](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158307629/profile_86c48cb86e98bb03cfbaa4fbe8f2fae4.png?width=600&crop=1:1,smart)