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アダム・スミスが英国紙幣になった理由。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:なぜ、アダム・スミスが英国紙幣に起用されたのか。その真相とミステリーを追う。トップ画はhttps://qr1.jp/ojatyl
アダム・スミス入退場のナゾ
英国生活が長い友人のH氏が、アダム・スミスについてこんなネタを持ってきてくれました。
余談ですが英国の£20札は、ご覧の様にやっぱ違うなに気付いたのか、コロナ直前にアダムスミスがプリントされた紙から、英国を代表する芸術家ターナーの代表作にプラスチック札にチェンジされてしまいました。
全く信者ではありませんが摩訶不思議なこの国(経済学者から芸術家を起用するこの異次元のセンス含め)を理解するヒントとして永久保存版としてアダムスミス紙幣を大事にキープしています
恥ずかしながら、これをきっかけによく見たら「分業最高」って書いてあるのに今更気づきました(Invisible handの方がカッコいいのに)。しかもご丁寧に括弧書き補足説明付きで、生産量増大するからと。
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資本主義のアイコンとしてのアダム・スミス
20ポンド札に彼がはじめて登場したのは、1999年で、退場したのが2018年で、およそ20年間英国の威信をになってきました。
なぜ、彼が英国のシンボルになったのか。
これは、2006年10月31日付英国インデペンデント紙による特報です。
タイトルはThe Big Question: Who was Adam Smith, and does he deserve to be on our banknotes?(大きな疑問。アダム・スミスって誰?彼はわが英国紙幣に値するのか?」
アダム・スミスとその時代を解き明かすために、非常に興味深い内容だったので、皆様と共有したくなりました。
6つの理由がある。
1.紙幣になる人物は英国に貢献した人に与えられるべき。シェイクスピア、ニュートン、ナイチンゲールは文句なしだった。アダム・スミス、もね。
2.紙幣の人物を定期的に変えることで、より多くのひとに栄誉を与えることができるから、アダム・スミスにもチャンスが回ってきた。
3.自由取引(free trade)、資本主義を唱えたパイオニアである
4. イギリスはアダム・スミスの教えを守って工業大国になった。特に紙幣にはスミス哲学の本丸である「分業」とその象徴であるピン工場があしらわれている。
5.アダム・スミスは国に栄誉を与えられた最初のスコットランド人。アダム・スミスは、英国人であると同時にスコットランド人だった。英国政府としては公平性を鑑みて、ブリテン島からもスターを生みたかった。
6.英国政府は紙幣を改めることによって、紙幣新技術を見せつけたかった。それはホログラム技術と透かしの技術だった。アダム・スミスがその受け皿になった。
問題児としてのアダム・スミス
インデペンデント紙は、アダム・スミスは本当の国民のヒーローではなかった、と断じる。
紙幣の人物になった理由は、サッチャリズム、サッチャー流の経済学がアダム・スミスをベースにしていたからだ、というのだ。
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しかし、サッチャーの跡を継いだトニー・ブレアも、実はサッチャリズムを踏襲した。
しかし、ブレアはアダム・スミスを鵜呑みにせずに、自分でアレンジした。
アダム・スミスの分業を応用し、国際的な分業を実現した。しかし、もう一つの「自利」は気に入らず、排除した。
とにかく、紙幣の人物になった理由は、アダム・スミスが資本主義を誰よりも正当化し、プロモーションしたからなのだ。
アダム・スミスの呪いが心配だ
実は僕がきょう、みんなにいいたかったのはこれだ。
イギリス政府は、コロナを予測できればアダム・スミスを20ポンド紙幣から降ろさなかっただろう。
なぜならば、いまが資本主義の胸突き八丁、だからだ。
そう、ウクライナ戦争は、西側つまり資本主義陣営と、東側つまり共産主義の生き残りソ連の戦いだからだ。
アダム・スミスがイギリスの顔から降りたことは、イギリスが資本主義を本気で擁護しなくなったことを意味する。
大事な局面に来て、西側はバカだよね。
アダム・スミスは、今頃草葉の陰で怒っているさ。
「なぜ肝心要の対ロシア共産主義との戦いのアイコンとしての、
オレを降ろした?」と言ってね。
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さて、きょうはもう時間がないや、半分眠りながら書いたので
文章がおかしいけれど、許してね。
野呂一郎
清和大学教授