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アメリカに住むと消費の意味がよくわかるよ
高校生の皆さん、元気ですかー!
やっぱりアメリカに行け!
よく忘れかけるんだけれど、この連載の目的は、キミたち高校生がグローバルなリーダーになることを助ける、ということだ。
さっき、大人向きの連載をアップしたんだけれど、それでちょっとまた頭に浮かんだことがある。やっぱりグローバルなリーダーになるには、アメリカに行ったほうがいい、ということなんだ。
その連載で書いたことは、米自動車メーカーのフォードの新戦略についてなんだけれど、この記事を書きながら、30数年前のアメリカ留学時代を思い出したんだ。
今日の記事に書き忘れたことなんだけれど、フォードの戦略っていうのは、当然のことながら、アメリカと車という切っても切れない関係性が前提にある。
フォードの新戦略っていうのは、販売店に車を置かないで、ほしけりゃ工場に直接言ってくれっていう、身も蓋もないものなんだけれど、これが成功するかはまだ未知数なんだよ。
なぜならば、消費者としてのアメリカ人の特性がそれを認めるか、という疑問があるからだ。
アメリカに住めば消費者とは何かがよくわかる
消費者としてのアメリカ人の特徴っていうのは、「その場で満足させなけりゃ、逃げちゃう人」ということなんだ。それは実は消費者の本質でもある。
そしてこの戦略が危ぶまれているのは、アメリカ人の車をめぐるライフスタイルにもある。
アメリカは本当に車社会だよ。車がなけりゃ何もできない。僕はウィスコンシン州、カリフォルニア州、ジョージア州と転戦(笑)したけれど、常に車はあった。いつも中古だったけど。
ロスアンゼルスに赴任したときは即日ディーラーに行ってその場で買って乗って、住む予定のアパートに着いた。
車を買うなんて、コーラを買うくらい簡単だし、ディーラーに行けば色んな種類がずらりと並んでいるから、それをピックアップして買うだけ。ローンと保険はいるけれど、複雑ではない。
だけど、フォードの新戦略は、そのディーラーに車を置かないっていうんだよ。チップ不足で車が製造できないという現実があるから、しょうがないんだけれど。
この戦略を否定する専門家は「バカだねえフォードは、アメリカ人は目の前にあるものを即買いする人種だよ、ブツがないのにわざわざ工場に頼んで数カ月後に買うなんてわけないじゃない」というのだ。
僕がキミに、アメリカに行け、というのは、こういう正直極まる、消費者の消費行動を目の当たりにしてほしいということなんだ。
彼ら彼女らは、いい物はすぐ買っちゃう。目の前にいいものがあれば躊躇しないよ。すごくわかりやすいんだ。
自動車だけじゃない。11月から始まる、クリスマスシーズンにアメリカに来てごらん。これもまた消費とは、消費とは何かというリアルが目の前で展開し勉強になるよ。
いながらにしてマーケティング感覚が身につくアメリカ
すごいんだから、そのクリスマスシーズンの買い物ぶりときたら。
見ていて気持ちがいいくらいだ、アメリカ人の消費行動は。もちろんそれは日々、ウォルマートなどの近くのスーパーでも見られる。
日本じゃあんまりわからないんだよな、消費者って何、っていうのが。それは、日本人が喜怒哀楽をあまり表さない人たちだからかもしれない。
アメリカに行くと、消費って、消費者って何、ビジネスって何、っていう感覚が身につく、と思う。いながらにして、マーケティング感覚が身につくと感じる。
そしてフォードだけじゃない、世界中の名だたる企業はほぼアメリカ企業だから、そういう大企業のビジネスを目の当たりにすることができる。
これはキミの人生の大きな糧になるよ。
とにかく、外国を経験しないと、日本が何か、キミが日本人であることの意味は何か、なんてわからないんだから。
もちろん、韓国でも中国でもいい、でも、キミは世界のリーダーになるんだから、アメリカは見ておいたほうがいいって。
観光だけじゃダメだ。やはり、そこで生活することだ。
アフガニスタンよりは安全だけど・・
でもさ、今あんまり大きな声でそれを言えないよな。世界中コロナが終息しないし、それにアメリカもどんどん物騒になっていくし。無責任に「行け」なんて言えないよ。特に女性にはそうだ。
当時も、日本から留学してきた女性は、いた。ウイスコンシンなら安全だけれど、ロスアンゼルスは、おすすめできない。そういうこともある。
いや、そういう油断がダメなんだ、アメリカ中どこでもリスクはある。男だから大丈夫、ってわけでもない。
難しい時代になったものだ、いや、昔からそうか。
まあ、その選択はキミに任せるよ。
でもとにかく、経験しないと、何事も。
じゃあ、きょうはこれまで。
また明日キミに会えるのを楽しみにしている。
野呂 一郎