ガチャに負ける宝くじ

宝くじ、売上8千億円割れ ジャンボ不振で20年ぶり

宝くじの販売が低迷しているということは知っていたのですが、去年は7.7%減、今回は 6.9% 減とほとんど崩壊状態。こんなに急激に落ち込んでいたとは。

昔は我が家も年末ジャンボくらいは買ってたんですが、やがて買わなくなりましたし、関心もまるでなくなりました。

当たらなくても自治体に寄付にはなるしと思ってはいましたが、民主党の仕分け事業で非効率な運営がつまびらかになったり、寄付したい自治体に簡単に直接寄付できるふるさと納税も発展したりと、買うためのいいわけもなくなりました。

ITが発達して、自分の支援したい自治体や事業の情報が得やすくなったわけですから、この点については発展的に解消しちゃっていいのではないでしょうか。宝くじなんて当たりもしないエサでつらずに、堂々と寄付を募っていけばいいのでしょう。

宝くじ自体の魅力も今の私たちにはなくなってきています。

その裏にはいわゆるガチャに私たちが慣れ親しんで来ていることもあるのではないでしょうか。

いわゆる激レアが20回に1回当たるとして、しかもそれが50種あるとして、その中で特定の1種が欲しいとなると、それが当たるのは1000回に1回です。

それがどんなに「なかなか当たらない」かを私たちは肌で知るようになっているし、かと言って当たらないわけでもありません。現実的に当たりうる確率ですし、だからこそ課金ガチャ地獄なんて悲劇もあります。

仮にこれを宝くじにあてはめると、売り上げの50%が還元されるとして、3000円買えば、当選金は150万円となります(1等しかないとして)。なんとも微妙な金額です。3000円を500回貯金すれば達成できてしまう金額ですから。

一方で、1000倍の倍率をくぐりぬけ、見事お目当ての激レアを引いたら、その喜びはひとしおでしょう。

そしてなんといっても大きな違い。

それは、ガチャはいずれ手に入るという現実があります。課金するにしろ非課金で頑張るにしろ、金か努力でいつかは手に入ります。いつか手に入るという「夢」を持てます。

一方宝くじは、当たるものはしょせん金。当てるためにはひたすら買うしかないし、結果何か1等でないものが当たるにしても普通は赤字でしょう。それでは手に入れても、手に入ってはいません。しかも1等でなくても当選確率は低く、当たらないとしか思えません。ガチャで確率の実際を体験している私たちは、宝くじを買っても夢を見られません。賢くなってしまっているのです。

結局お金が当たるものは、一時的な楽しみとしては面白いものの、長期的には必ず損するわけで、長期的な余暇には不向きです。カジノに行って遊ぶなら、黒字になればめちゃ嬉しいし、でも赤字になったところで遊戯費と割り切れます。競馬についても、馬が好きなら、トータル赤字でも、たまに予想が当たってお金が返ってくるのは喜びを何倍にもするでしょう。

逆にいえば、つまりこの場合の賞金は、喜びを増幅させる触媒であり、本質的にはカジノや競馬の遊戯そのものに楽しさがあります。

しかも、ガチャは賞金がなくても多くの人を魅了します。くじを引かせるのに、お金を返す必要などなかったのです。これは21世紀の大発見です。

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