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科学を無視したマイナンバーカードのツケ
(マイナンバーカードの点検の問題点を指摘します)
6月30日の時事通信は次のように伝えています。
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マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に別人の情報が登録されるなど、トラブルが相次ぎ、政府は「マイナンバー情報総点検本部」を設置。カードの個人向けサイト「マイナポータル」から閲覧できる全29項目の情報について誤ったひも付けがないか点検する方針を示していた。当初は8月末に中間報告をまとめる予定だったが、前倒しする。
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「誤ったひも付けがないか点検する」ことは、科学的には不可能です。
この記事は、トップダウンで、出来ないことを部下に指示していることになります。
「ひも付けの点検」は、相互認証でしかできません。
銀行口座を例に説明します。
1)マイナンバーカードに、銀行口座のデータをひも付けする。
2)銀行口座にマイナンバーカードのデータをひも付けする。
3)1)と2)のデータが一致しているかを照合する。
これが、相互認証のプロトコルです。データの登録以外は全て、システムが行います。
現状では、2)と3)がないので、エラーのないデータのひも付けは不可能です。
アマゾンで買い物をするときには、クレジットカードのデータとスマホのデータの相互認証が行なわれています。
マイナンバーカードには、相互認証のシステムがありませんので、理論的には、「ひも付けの点検」は不可能です。
仮に、銀行口座の名前や住所の矛盾がないとしても、それでは、偶然の一致の可能性を排除できませんので、点検にはなりません。
この問題は、失われた年金の時から全く変わっていません。
政府の要人や企業の幹部が集まっても、相互認証のプロトコルという科学を理解している人が誰もいなければ、先には進めません。
日本では、空気を読んで、部下は、上司には、問題点をあげない文化かもしれませんが、科学を無視すれば、そのツケがかならずおきます。
これは、想像を絶するレベルの低さなので、海外の専門家はコメントを控えていると思います。
引用文献
総点検、8月上旬に中間報告 マイナ情報の誤登録―河野デジタル相 2023/06/30 JIJI,COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023063000774&g=pol
総点検、8月上旬に中間報告 マイナ情報で首相指示 2023/06/30 JIJI,COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023063000560&g=pol
マイナ証明書交付、また停止 富士通、システムを再点検 2023/06/30 JIJI,COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023063000224&g=eco
マイナ活用へ信頼確保急務 トラブル、口座や保険証も―改正法成立 2023/06/02 JIJI,COM
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023060200907&g=cyr