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あやまってくれ。ほんとに、夜に。


夜にあやまってくれ


彼女に恋をする。
声を聞きたいと思う。
どんな話でもいいから、話をしたいと思う。
とはいえ僕は話が上手く出来ないから、もっぱら彼女の話を聞いていたい。
彼女に料理を作ってあげたいと考える。
肉じゃがなど。
喜んでくれたらいいなと思う。
美味しく出来るかどうか、自信がないけど。

一緒にテレビを見たいと思う。
くだらないヴァラエティ番組を観て二人でけなしたい。
莫迦だよねー、って云ってチャンネルを変えるんだ。
どんな笑い方を彼女はするだろう。
どんな声で彼女は笑うだろう。
彼女が笑ってくれるなら、僕は悪にでもなる。

僕は僕の好きなものを、彼女に押しつけたくはない。
もっと若い頃ならきっとそうしていただろうけど。
でも今はそんなことは考えない。
それは彼女に迷惑かもしれないからね。
僕は僕の好きなものを、僕自身のみで味わう。
なるべく透明なバリヤーが悟られないように気をつけて。
音楽であれ、映画であれ、何であれ。
その時だけ僕は自分の殻に閉じこもるんだ。

サイクリングもいいなと思う。
緑色の芝生を横目に感じながら、堤防などを走りたい。
彼女の長い髪が、風になびくように。
バッタやとんぼが無邪気に跳ねたり跳んだりしてますように。
そして天気がとても良い日でありますように。


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