たこ八郎の姿勢
買えばいいんだけど経済的な理由と自分の部屋の物理的な事情により、図書館で本を借りることが多い。
好きな短歌や俳句、そして最近一気にのめり込みつつある川柳に関するこれらの本がもっと読みたいと思う。
好きな作家を見つけて過去の作品を読みたいけれど、図書館に置いてない事が多い。やはりジャンル的に限られた人が読むイメージがあるのだろうか。
でもイメージだけで図書館側が蔵書を選んでいるとはあまり思えない。
何か他にも理由があるような気がしている。
そんなことを考えながら、ジュンクや紀伊国屋とかコーチャンフォーに足を運ぶがそこにもない場合、結局amazonか。
僕は極力amazonで本は購入したくない。
amazonで本を買うたびに町の本屋さんが消えてゆく気がして悲しくなってくるからだ。
今回借りてきた本を書いたひとは暮田真名という川柳人で僕は朝日新聞の記事で知った。おもしろいひとだと思った。
日本語あるいはその文法の解体。ルールを破ってまでも自分の表現に突き進む気持ち。のっぴきならない何かを持ったひと。地球に対する愛。
パンキッシュなその姿勢にこころを打たれた。
彼女の作品に向けて書いた平英之さんというひとが書いた文章も素晴らしいのでここに丸々転用しておく。すべてじぶんのため。
子どもの頃テレビでたこ八郎を見て、その奇妙な雰囲気に気持ち悪ささえ感じたものである。
けれど大人になって再放送のドラマ『ムー一族』に出ている彼を見て、あっと思った。
あんなに気持ち悪いと思っていたタレントが一生懸命役者をやっている姿勢。
へたくそで、でたらめで、リズムも何もあったものじゃないけれど、これがいいのだと思った。これこそがたこ八郎の真骨頂だったのだと気づいた時、とっくの昔に彼は亡くなっていた。
僕は彼を見習いたいと思った。
もちろん、あんなに荒唐無稽な喜劇人にはなれはしないけれど、その姿勢は真似出来るんじゃないか。
友達であるタモリや赤塚不二夫や三上寛や友川カズキがそうであったように。
たこ八郎の姿勢にこそ、学ぶべきものがたくさんある。
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