すてきな時間のつかい方
家で過ごす日々が増えれば増えるほど、
カラダも鈍れば、思考も鈍る。
4月下旬の暖かさを記録した東京に居ながらも、建物の1階に住んでいるからか、日が暮れだすと急に冷え込んでくる。そして、寒くなると余計に動かなくなるの悪循環。
『こんな時だからこそ、〇〇(生産的なこと)をしよう!』
こんな類のフレーズをネットのあちらこちらで見かけるし、知人や友人が、創作活動や自己鍛錬などとても素敵な発信をしている。
『120%異論なしのそのとおり!』…と、頭で考えていても、カラダが動くかと言ったら、全く別問題。
毎日毎日、コロナを「言い訳」に、会社からのタスクを消化すること以外はさほど動かず、気づけば晩ごはんとお風呂の時間。見事にコロナ太り。
思考と身体機能がまるで別々に支配されている錯覚にさえ陥っているほど。
(...これも言い訳)
在宅勤務を開始して以来、こんな風にして、意思の弱さをこれでもかと存分に思い知らされて3週間が過ぎた。前回の記事であんなにも前向きな記事を書いたからには、こんな自分は、家に居ても“ネクタイ”をしなきゃいけないのかも。
その反面、「生産的なことをしよう!」とわざわざ謳わなくたって、私の友人たちが実際にやっているのは、
・料理やデザートを家族と一緒につくっていつも以上に関係を深める
・早く終息するようにと祈りながら家族で歌う動画を発信する
・かわいい布マスクを作製して無料で配布する
・Youtubeで元気になる音楽を発信する
みんな、思い思いクリエイティブに、そして、アクティブに過ごしている。
誰かのことを想いながら頭を捻って、
自分の時間を相手にとっての「価値」に変える
みんなに共通して、優しくてすてきな時間のつかい方だな、と感心する。
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先日、私の悩み事を話した友人が、次の日も心配してわざわざ電話をかけてきてくれたことがあった。悩み事解決のためのアイデアの内容も本当に感激した(おかげで大解決した)のだけど、なによりも、最初の電話の後も私の悩みについて思い起こして、さらに時間をつくって電話をくれた。
彼の時間をこうやってつかってくれたことが本当に嬉しかった。
新型コロナウイルスで、毎日、多くの方が生活の危機に晒され、職を失い、命を失った方も多い。この事実は本当に残念。
でも一方で、こうして誰かを想って、頭を捻ったり行動したりするために自分の時間を惜しみなく使う。こういう友人たちや人びとの優しさをみることができて、とても勇気づけられる毎日でもある。
「自分の人生や社会を見つめて、すてきな時間のつかい方を考えよう」と、こういう風に考えるようになって、前よりもずっとポジティブになった。
…こんな人は、今回とっても多い気がしている。
すてきな時間のつかい方ができれば、コロナが去った後に不況が続いても、優しさが支える社会がくるような予感がする。
2020年4月10日@Tokyo