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全粒粉パンに、ぎゅっとはさまれた、海老フライとアボカドのサンドイッチの甘みと香り。#レトリカル食レポ

カリリと思いがけないほどの薄さで
焼かれた全粒粉パンは、
噛みしめるほどに、ぎゅっと弾んで、
力強い香ばしさで押し返してくる。

サクリと海老フライの衣に
歯を入れると、
ふんわりと海老の匂いが鼻腔に広がり、
海老らしい深い甘みが舌にとろりと届く。
不意にクリーミーなアボカド味が
すべり込むのに合わせて、
なめらかなタルタルソースのとろみが
舌を押し広げるように広がる。

海老のもつ濃味は最早、
香りとも味とも分からぬほど
舌のまわりに、頬の内に、鼻腔に、
波打ちながら広がり、
噛みしめるほどに
口いっぱいに満ちて、
海老らしい滋味を喉の奥でもう一度、
味わいたくなって味わう。

そんな海老フライとアボカドの
物語をはさんだ
全粒粉パンは、
まるでバンドのベースのように、
ザクっとした触感と
穀物の甘みで
アクセントを刻み続けた。

まろやかな海老とアボカドの間で。

伊勢丹・新宿店メンズ館8F「リジーグ」。
スタッフのやわらかな言葉と微笑みに、
味わいと食感は、
なおさらときめく。


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