びびんこ
「びびんこ」って知ってます?
九州地方での方言で「かたぐるま」のことです。
ソシオファンド北九州では、毎年いくつかの社会的な活動をする団体と一緒に考えて実践する活動をしています。
その活動のことを「びびんこ」と言います。
それでは具体的に「びびんこ」とはどんなことをするかというと、協働(団体とソシオファンドが一緒になって行う活動を協働と言います。)は、団体の皆さんと現在行なっている活動について活動の原点を再確認したり課題をあぶり出し解決策を考えたりします。しかし、ソシオファンドのメンバーは団体の活動に関してはほとんど素人ばかりなので最初はお互い手探りで始まります。このことは団体の皆さんにとって大変貴重な時間になります。それは素人にわかるように説明するには、自分たちの活動を深く考え理解していなければ、素人にわかりやすく伝えることができないからです。
もちろん団体の皆さんはその分野では専門家ばかりなので、仲間同士ではコミュニケーションは容易いのですが、社会的な活動を続けていくためにはたくさんの共感者の応援が必要になります。
そのためには誰にでもわかりやすく伝えることができるかは大変重要なことになります。
一方、ソシオファンドのメンバーはこの最初の取り組みでほとんど体験したことのない活動に触れることができます。専門家の皆さんから教えていただくことが新たな気づきや実践に生かされる大変貴重な経験になります。
このことから「びびんこ」はどちらか一方が担ぐのではなく、時によりソシオファンドのメンバーが担いだり、担がれたりする関係がこの「びびんこ」です。
この関係は「してあげる」「してもらう」の役割分担ではなく、お互いに「ありがとう」を交換する活動です。
このようなことを「利他」と言います。最近よく聞くようになった言葉です。
しかしこの「利他」という言葉は誤解されて解釈されていることがあります、それは利他行動とは自分のことを犠牲にしてまでも他人のためにしてあげることと思われがちですが、決してそうではありません。相手のために何かをすることが自分の喜びでもあるということが「利他」の本質です。
また、最近よく使われる WIN-WIN の関係とも違います。
「利他」とは「お互いさま」ということなのです。
今年、東京工業大学に未来の人類研究センターが創設されましたが、その最初の研究テーマが「利他学」です。
センター長の伊藤亜紗、中島岳志、若松英輔、磯崎憲一郎の「利他を考える」の雑談を聞いてみて利他への理解を深めてみてはどうでしょう。