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南禅寺の記憶・・哲学の道で17才ノデキゴト 終章 数年後 再会の予感
アキラは南禅寺の水路閣を歩いていた。浪人を経て大学に合格し、医師を目指す日々を送っている。久しぶりに訪れた哲学の道は、春の陽光に満ちていた。
ふと耳にしたラジオから流れる歌声に、アキラは足を止めた。
「桜の舞う道を歩きながら、君の笑顔を思い出す。」
それは、あの日文化祭で聴いた優香の声だった。ラジオのアナウンサーが彼女の名前を紹介し、デビュー曲として全国で話題になっていると伝えていた。
アキラは静かに微笑み、空を見上げた。
「やっぱり、君ならできると思ってたよ。」
南禅寺の水路閣を背景に、桜の花びらが風に乗って舞う。その中を一人歩きながら、アキラはまた新たな一歩を踏み出していった。
結びの言葉
哲学の道で出会い、別れた二人。季節が巡るたびに、その記憶が心の中で輝きを増していく。
どんなに遠く離れていても、二人を繋ぐのは同じ夢と、あの道で交わした約束だった。
続く。