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「失われた時計」500文字ミステリー小説

深夜、彼のアパートに電話がかかってきた。
発信者は、数ヶ月前に突然姿を消した古い友人、佐藤からだった。
受話器越しに聞こえたのは、まるで誰かが息をひそめているような、細い声だった。

「助けて…」その言葉を最後に、電話は切れた。

翌朝、彼は佐藤の行方を追い始めた。
佐藤が消えた日のことを思い出す。
彼は、何かを探していた。
それが何かは、当時は気にも留めなかった。

彼は佐藤のアパートに足を運び、部屋を調べる。
手がかりらしきものは何も見つからなかったが、唯一、机の引き出しに一つだけ古びた懐中時計があった。
その時計には、刻まれた数字が不自然に歪んでいた。

時計をひっくり返した瞬間、背後で物音がした。
振り返ると、彼の目の前に立っていたのは、何も知らないはずの佐藤だった。

「時計を見つけたんだな…」

その瞬間、彼は全てを理解した。
佐藤が消えた理由、そして彼が追っていた「何か」…それは、この時計そのものだった。


「この作品は約500文字で作成されています。」

※文字数はおおよそ500文字程度であり、多少の誤差が含まれることがあります。物語の核心やメッセージが伝わることを重視しています。

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