ジャズを軽く聴き始めたい人への軽い名盤紹介①
こんにちは。
ジャズを聴き始めたい方って結構いますよね。でも、最初に何を聴けばいいのかわからず漂流中の方も少なからいらっしゃるのではないでしょうか。
取り敢えずTUTAYAに行ってジャズコーナーを見てみましょう。結構親切に「初心者の方はこのアルバムを!」みたいなポップがあったりしますので、片っ端から借りてみましょう。きっとお気に入りの一枚が見つかると思いますよ。
と、言ってしまえば話が終わってしまいます。
また、「ジャズ 初心者」でググってみると出るわ出るわ、沢山のHPが出てきます。ベスト10形式で紹介してくれている所などもあります。
そういうページを参考にして借りたり買ったりも良いと思います。
と、言ってしまえば話が終わってしまいます。
僕が言いたいことはですね、そういう、ジャズを聴き込んだ詳しい人が推薦するアルバムよりも、僕のように初心者向けだと言われているアルバムばかりを聴いてきた人間が推薦するものの方が、取っ掛かりやすいのではないかということなんです。
例えば、ここからはサラッと読み流して欲しいのですが、いきなりジョン・コルトレーンの『Love Supreme(至上の愛)』をすすめる方がいます。確かに名盤には違いないのですが、多くの人は「なんか求めているイメージと違ぁーう」「ジャズってやっぱり難しぃー」となってしまうことは明白です。
ビル・エバンスの名前もよく挙がります。例えば『Waltz for Debby』。タイトル曲のロマンチックなメロディーは確かに美しいです。しかしそこで行われているという「インタープレイ」とやらは、はっきり言ってどこがどう面白いのか、全く疑問です。大体、僕はビル・エバンスが初心者向きだとは露ほども思っていません。彼は実はとても難しいことをやっているからです。
ということで、まず、ジャズの楽しさ、美しさ、癒し、たまに激しさを知る旅に僕と一緒に出かけませんか? さて出かけましょう。
まず今回は、
とてつもなく楽しいアルバムの第一弾として、Zoot Sims(ズート・シムズ)の『dawn home』(1960年)というアルバムをご紹介いたします。
・ズート・シムズ - テナー・サクソフォーン
・デイブ・マッケンナ - ピアノ
・ジョージ・タッカー - ベース
・ダニー・リッチモンド - ドラムス
(この形式のバンド形態は「ワンホーン・カルテット」と呼ばれます。)
オリジナル盤は8曲までで、1990年代から発売されたCDは9曲目以降の別テイクが収録されています。
全曲メジャーキーの明るい曲ばかり。全曲スイングしています。思わず体が動きます。サックスの音に集中してしまいます。まだ若いデイブ・マッケンナのピアノ・ソロも素晴らしい。
こんな風に、一曲もバラード調の曲を含まないアルバムって中々無いと思います。
『ビルボード』誌は、本作を「尋常ではないアルバム」と評し、また『ダウン・ビート』誌は、本作を「シムズのスウィングする力を見せつける傑作」だと評しています。
(前者はアメリカの一般芸能誌で、後者は同じくジャズやブルースの専門誌で、それぞれに歴史と権威をもった雑誌です。)
オリジナルのLP盤と1980年代までのCDには8曲目までしか収録されていませんが、1990年代から9曲目以降の別テイクが収録されたようです。
別テイクは、OKテイクよりも若干テンポが遅く、音を探り探りしながら作っていっている様子が窺えますね。
どうでしょうか、こんなに楽しいアルバム、一家に一枚置いておくのも損はないと思いませんか?
旅はまだまだ始まったばかりです。次回は季節も秋ですので、少し愁いを帯びたアルバムを探してきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。