ジャズを軽く聴き始めたい人への軽い名盤紹介⑩(ピアノ・トリオ編)
Red Garland『Groovy』(1957年)
(レッド・ガーランド『グルービー』
レッド・ガーランド – ピアノ
ポール・チェンバース - ベース
アート・テイラー - ドラムス
こんにちは。
今回は、ピアノトリオの名盤として、レッド・ガーランドの『グルービー』をとりあげたいと思います。
プレスティッジというレコードレーベルの持つ、数あるピアノ作品の中でも最も優れた作品の一つではないでしょうか。
まず、レコードジャケットがいいですね。ジャケ買いしそうなおしゃれなセンスを感じます。(RやYが逆向きになっている所とか。)
中身をみていきましょう。
全体の曲選択のセンスがいい。特にデューク・エリントン作曲の「C-jam Blues」が一曲目にあるのと無いのとで、完全に明暗は別れるところでしょう。
そして、ゆったりとした「Gone Again」というブルースナンバーを挟んで、快速な「Will You Still Be Mine」へと続きます。
次の曲は、またゆったりとした「Willow Weep For Me(柳よ泣いておくれ)」です。
そして少しミドルテンポになって、明るい曲「What Can I Say (After I Say I'm Sorry)?」。
最後の曲はガーランド自作の「Hey Now」で〆る。
曲順完璧ですね。絶対に変えちゃいけない、鉄板の曲順です。
そして、ほとんどの曲にベースソロやドラムソロを入れて、曲の持つ魅力を最大限に引き出しています。スウィングしていますねー。
ガーランドのピアノソロは、最初は単音弾きなんですが、盛り上がってくる終盤は必ずブロックコードを弾く明快さも私は好きな部分です。
リーダーはあくまでもガーランドなんですけど、そんなに出しゃばっておらず、むしろチェンバースがリーダーじゃないかと思われるような瞬間があります。
このアルバムの全体的なグルーブ感は、チェンバースのベースによって生まれたものだと思えるからです。
そのおかげで、ガーランドも気負わずにいつもの実力で、コロコロとしたピアノが自由に弾けています。
とても楽しいアルバムですので、一家に一枚置いておくのはいかがでしょうか?
今回も最後までのお付き合い、ありがとうございました。