Rainbow 『Rising』
日本語タイトルも、中身もカッコいい
こんにちは。
遂にレインボーの最高傑作について語る時が来ました。
私が高校時代に一番影響を受けたバンドであります。
1982年の「I Surrender Tour」にも行きました。
レインボーは後にも先にもこの一回きりなんですが。
ほぼ正面の前から5番目という絶好の位置でした。
初めての海外ミュージシャンのコンサートだったし、あんな大音量を聴いたのも生まれて初めてでした。
話が逸れてしまいましたが、レインボーの最高傑作については諸説緒論ありましょうが、私は迷った挙句の 『Raising』 です。とは言ってもあまり迷いませんでしたが。
迷ったのは、次作の 『Long Live Rock’n’roll』とどっちにすんの?という所です。どちらもリッチーにロニー・ジェイムス・ディオ、コージー・パウエルという、当時としては最強の三人(三頭政治と言われていた三人)で作ったアルバムだし、このメンツで駄作だったら金返せよとでも言われそうなプレッシャーも感じながら、最高の物を作ったんではあるまいかと勝手に想像するわけです。
なので、ということでもありませんが、『Rising』の方を選びました。
そこでこのアルバムなんですが、まず、「虹を翔ける覇者」という邦題が結構カッコいいですよね。そして、よく語られるのはやはりレコードでいうところのB面の2曲なんです。
私が言いたいのは、もう一曲でいいからオマケで入れてほしかった。だってアルバム全体が短すぎる、もっと聴きたい、という所です。
しかし、リッチーの考えは、私のような凡人には届かぬところにありました。
B面にあの二曲以外は入れてはダメだ!
B面はあの二曲「Stargazer」と「A Light in the Black」で完結なんです。あとは引く物もない足す物もない、下手に足し引きしてしまったら、リッチーの「様式美」が崩れてしまいます。
お分かりのように、あの二曲は物語として続いているわけなんですね。
そのストーリーとは、端折って説明すると、
「ある日、星を見る者=預言者(Stargazer)が現れて、俺たちに高い塔を作れと言う。俺たちは鎖につなげられ、鞭でしばかれながらも懸命に働き、高い塔を作った。しかし、そこに上った星を見る者は落下して死んでしまった。俺たちは暗闇に閉ざされてしまった。これから一体どうすればいい? 何をすればいい?・・・しかし、その暗闇の中から一筋の光が見えてきた!(A Light in the Black)そうだ、家に帰ろう!we get back home! Home! Home!」
というのが二曲のつながりで、これで話が終わってしまっているので、B面
はこの二曲で終わっていいんです。
しかしA面の出来も素晴らしいですよ
A面の方に目を向けてみましょう。
1曲目(Tarot Woman)、キーボードの隔世的な中東的なイントロから始まり、エッジの効いた単音のギターリフがフェードインしてきます。そしてコージーが加わってくる瞬間のあのドラミングのカッコよさ。
そして次の曲(Run With the Wolf)、塊り感がずっしりと来ます。
そして続く二曲は、少し重かった先ほどの二曲とは違って、思わず体が動いてしまうロックンロールナンバーが続きます。こうして聴き返してみるとA面もいいなぁ。
最後になりますが、このアルバムには、New York Mix(オリジナルLP版)とLos Angeles Mix(US・CD版)という二種類の音源があり、何年か前にそれら全部が入った特別盤が売り出されました。
Los Angeles Mix(US・CD版)の方を聴いて凄く感動しました。というのも、今まで耳になじんでいたNew York Mix(オリジナルLP版)はベースの音が殆ど聴き取れません。
というのも、当時のベーシストであったジミー・ペインという人はリッチーから嫌われ、喧嘩状態だったらしいので、わざとベースの音が聴こえにくいミックスをしたんじゃないかと、まことしやかに噂されていたんです。
しかし、Los Angeles Mix(US・CD盤)の方を聴いてみてびっくり! くりびつてんぎょうというやつです。
ベースが良く聴こえる、しかもアルバムの最後を飾る 「A Light in the Black」 のベースのカッコよさったらないですよ! 機会があれば是非是非聴いてみて欲しいです。
ベース音がはっきり聴こえるだけでも、違うアルバムに生まれ変わったような気がします。
やはりMIXって大事ですね。
本日も最後までお読みくださり、誠にありがとうございました。