ジャズを軽く聴き始めたい人への軽い名盤紹介⑦ご機嫌サックス - Sony Rollins
こんにちは。
今日は早くも記念すべき7回目ということで、またもやご機嫌な作品を挙げたいと思いました。
『Saxophone Colossus』Sonny Rollins(1956年)(『サキソォン・コロッサス』ソニー・ロリンズ)
ソニー・ロリンズ - テナー・サックス
トミー・フラナガン - ピアノ
ダグ・ワトキンス - ベース
マックス・ローチ - ドラム
このアルバムはもう、ジャズの登竜門と言ってしまってもどこからも反論は来ないでしょう。僕もジャズを聴き始めて、結構早い段階で買った覚えがあります。
(ちなみに僕が買った初めてのジャズ・アルバムは、キース・ジャレットの『キース・ジャレット・スタンダーズ・スティル・ライブ』でした。生まれたての乳児にいきなり餅を食わせるようなものでした。しかも二枚組(笑))
このアルバムは、初めて1聴くジャズアルバムにふさわしいだけではなく、ソニー・ロリンズの最高傑作とも評されていますね。
まず、1曲目の「セント・トーマス」。いいですねぇ。思わず体が動いてしまうノリの良さ。ロリンズ自身の作曲で、元はカリプソからきているらしいです。自身の曲ということもあってか、構成もしっかりしています。
まず、マックス・ローチのドラムから始まります。そしてサックスソロ。
この曲はサックスのソロが二回来ます。最初のソロは、すこーしだけ抑えた感じ。次に来るローチのドラムソロを生かすためのようにも思えます。
そしてドラムソロを挟んで、やってくる二回目のソロは、全ての制約から解き放たれたように、一気に爆発する感じで始まります。このドラムソロからサックスへの受け渡し部分のカッコよさを感じて欲しいです。
トミー・フラナガンもいソロを弾いています。
二曲目はいささかドロドロした感じのバラード『You Don’t Know What Love Is(邦題:あなたは恋を知らない)』です。
この曲はスタンダードナンバーであり、沢山のミュージシャンが演奏しています。
僕はジャズを聴き始めた頃はこういったベタなバラードは苦手で、この曲は飛ばして聴いていました(笑)。まさに眠っていた宝物の上を素通りしていたわけです。
三曲目もロリンズのオリジナルで「ストロード・ロード」。しばらく続くロリンズとワトキンス二人だけの演奏も面白いですね。ここから、今後ロリンズが多くを発表するピアノレストリオのヒントを得たのかもしれません。
またここでは、ピアニストのトミー・フラナガンが心地よいピアノソロを聴かせてくれます。
フラナガンは「名盤請負人」とも呼ばれています。彼が参加した名盤は数知れずあります。
四曲目はこのアルバムの二番目の聴きどころ「モリタート」です。別名「マック・ザ・ナイフ」とも呼ばれている曲です。どうして二通りの呼び方があるのかは上手く説明できるかどうかわからないので、Wikipediaかなんかで調べてくださいね。
イントロなしでいきなり入ってくるロリンズ、テーマ部分を吹いた後そのままアドリブに入っていきます。
いまさら言うのも何なんですが、ロリンズのサックスソロの最大の特徴は、アドリブの中に巧妙に原曲のメロディーを差し込んでくるところにあります。そこから次々とメロディーを発展させていきます。だから聴きやすいし、親しみを感じるんだと思います。この「モリタート」なんて、その特徴が良く出ていますので、意識して聴いてみてください。
ここでは短いですが、ワトキンスのベースソロも楽しめます。
そして最後の曲「Blue Seven」。これもロリンズのオリジナル曲ですね。しかし、これといったテーマやサビもない、不思議な曲です。これは曲として作曲しているわけではなく、その場で行ったセッションという感じもします。メンバー全員がそれぞれソロを持つパートがありますし。調べてみないとよくわかりません。
以上、『サキソフォン・コロッサス』のご紹介でした。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。次回もお楽しみに!!