見出し画像

バレル製作(vol.3)

8/19についに公式から情報が公開となりました私のシグネイチャーモデル

「uroboros(ウロボロス)」

前回までの記事ではvol.1にて「自分を理解」して、vol.2にて「それらを数値化」するという作業を行いました。

今回の記事では「最終的なブラッシュアップ」を書き記していこうと思います。

今回も内容が行ったり来たりしてお見苦しいかと思いますが、苦悩の表れとして寛大な心でご一読いただけると幸いです。。

さて、前回自分の指を測定し様々なカットを試し、最終的にこのようなバレルを製作しました。

数値的にはほぼ問題ないかなということで、後部カットの出来の良し悪しを確認することに。

結論から申し上げると...

(なんか不安残るけど)めっちゃ投げやすい!!

グリップ感、抜け、かかりどれを取っても理想に近いと感じました。

でも

でも...

なんだこの不安は....

恐らくこのピッチです。

このカットのリズムが違和感の正体なんじゃないかと推測しました。

これまではメインカット(赤)をサポートするためのカット(青)ということで創作してきておりましたが、今回はグリップポイントが数mmズレただけでメインとサポートの存在感が入れ替わってしまっているような感覚に陥ってしまったのです。

表現が難しいですが「かかるけど抜けがいい」のと「抜けるけどかかる」は全くの別物だと考えています。

だめだ...

これでは製品にはならない

■原点回帰

良いものができたと思ってもやはり不安は付きまといます。

今回のものも、よく感じる時もあれば悪く感じる時もあって一概には評価できないのも重々理解はしているつもりです。

その不安をどのように払拭するか...

私はvol.1で出会ったジルコンを思い出しました。

ストレートながらに私が投げられたこのバレル。

これの気になっていた点は、「バリがとれると不安になる」ということ。

カットが長持ちしたうえでこの作り方をこれまでの過程にも共有できないか。。

そこで今一度これまでの過程と脳内を整理することにしました。

まずこれまでのモデルはこのようなくくりを取っていました。

黄色 > 青

赤色をひとつとしてあくまで黄色のメインカットをサポートするための青色の細工です。青の部分は一切主張するものがありませんでした。逆に言えば黄色のメインカットが摩耗したら替え時ということになります。

次にプロトのくくりについてです。

こちらも考えていることは変わりません。

ただし前述したように、青色の形状が変わっただけ(正確には青色に取る長さも違います)なのにメインである黄色と同等、もしくはそれ以上の存在感を感じる場合がありました。

黄色 ≧ 青 or 黄色 ≦ 青

さてどうしたものか。。

どちらも共通していたのは「黄色(デルタカット)が摩耗したら終わり」ということでした。

では「黄色い部分のサポート的な役割を担いつつ、決して脇役ではない青」はできないか。

最終的な目標が決まりました。

■隠し包丁

本来の意味に沿った表現ではないかもしれませんが、意味合いを想像しやすいということであえて使わせていただきます。

私がこだわり続けてきたデルタカットとジルコンのカットの相性がいいのではないかという考えは完全な私の直感です。←

ただし、単純に組み合わせただけでは何を主張したいのかが明確になりません。

とにかく先にイメージを製作することから始めました。

紆余曲折あったのですが、ざっくりまとめたものがこちらです。

ほんとここに辿り着くまで長かったんです。。

ジルコンカットを盛り込むことによるテーパーの修正、それを修正するための最大径の微調整、人差し指と親指のグリップズレに合わせた後方部カットの調整、テーパーを直したことによりグリップ時の指の収まり感が変わったので全長の調整...etc

めちゃくちゃ省略してしまいましたが1個ずつ書くとそれだけでまた記事が増えそうなので割愛させていただきます。。

ちょっと載せられそうな図面のデータがなくて大変申し訳ないのですが、実際の画像をもってどう最終調整を行ったかを簡潔に記載します。

まずはこの単純にジルコンカットを融合した画ですが

これをこのまま採用するとvol.2で大失敗を引き起こしたひっかかり過ぎる現象が起こります。

これを避けるためにクッションの加工を継続して採用します。

このピッチは測定されたらすぐわかってしまうのですが、企業秘密ということで。。

そこからカットの幅などをバランスをみて微調整を繰り返していきます。

簡単に書きましたがこれもまただいぶ頭を抱えました。。

そんなこんなで今回一番の肝!!

(またざっくりですみません。。)

「デルタカットのサポート的な役割を担いつつ、決して脇役ではないカット」はできないか。

本題の隠し包丁からヒントを得て、この実現を目指した手法がこちらです。

2種類のアウトライン

これまでのカットに加えジルコンカットを組み合わせるにあたり、単純に結合したわけではありません。

指の当たり方、テーパーの切り替えしに沿ってそれぞれ別のアウトラインが設定されています。

おそらく肉眼ではわからないと思います。
画像ではかろうじてわかる…でしょうか…。

デルタカットの感触を阻害しない位置までジルコンカットを落とし、摩耗によりデルタカットが役目を果たさなくなりかけたとき、サポート役として時にはそこが主役として浮き出るように設定しました。

※ここが主役になったときにはおそらく別物のバレルになってるので程よく交換をお勧めします。笑

こちらは私が使い続けているものになりますが

もちろんまだデルタカットも存在感を出しておりますが、「滑るかも...」という感覚には一度も陥っておりません。

観察して思ったのですがデルタカットが摩耗したときに、完全に存在を失うわけではなく、ジルコンカットの保護膜としての役割を担ってくれるのではないかと期待しております。

駆け足での説明になってしまいましたが、この細工を含めて私のこのカットをプロトリューションデルタカット(PDカット)と名前を新たに使用します。

(結局でっぱりカット。笑)

そのような流れを経て完成したのが公式からも発表をさせて頂いたこちらです。

長かった。。

本当に長かったです。。

デザイナーとエージェントを困らせに困らせ、時には工場まで飛んでもらい即日削り出してもらったりと、今ではいい思い出です。笑

(その人にこの記事読まれたら笑ってんじゃねー!ってめっちゃ怒られそう...)

■宣伝

こちらは全国のダーツハイブ直営店もしくはweb店にて取り扱っていただけることになりました。

そして両方とも予約キャンペーンとして8/28までに予約をしていただくと抽選で激レア限定DARTSLIVECARDが当たります!

それぞれの注意事項をご確認の上、是非よろしくお願いいたします!

ダーツ祭り2019でも先行販売を行いますので会場にいらっしゃる方はぜひ私と握手!!

また私のサポートをしていただいている店舗様でもお取り扱いをしていただけるということでその店舗様もご紹介させていただきます!

Darts Bar Railly

赤坂、溜池山王から数分!赤坂という立地ならではの大人な空間で大型モニターでは店長厳選の映画などが見れるほか、こだわりの各種ビールやカクテルを飲みながら楽しくダーツができます!

Darts Physics Laboratory

調子が悪くなったりとにかく伸び悩んだらここ!イップスや上達に関するお悩みなど、様々な癖にも対応出来るように対個人に特化したカルテで状態を残してくれます。悩んだらとにかくここを頼ってください!

Connect

綾瀬駅から徒歩20秒!気さくな若夫婦が店名の通りいろんなお客さんと繋いでくれます!おひとり様でもウエルカム!

Darts Bar T's

レディースデーや学割もやってます!とにかくここの店長のキャラが強烈!!翌日表情筋が筋肉痛になること間違いなし!とてもアットホームなお店です!

その他お取り扱いいただける店舗様も大募集しております。

多くの方に手に取っていただけると嬉しいです。

■最後に

長々とこの記事を読んでくださり、本当にありがとうございました。

最初の記事冒頭にも書いたのですが

今回はマイダーツの選び方ではなくマイダーツの作り方完全に個人主観でお届けしようと思います。

自分がやりたいことは全部やりました。

失敗しまくりました。

でも妥協はしませんでした。

正直ここまで考えながら作ったのは初めてで、今までは必ず専門のデザイナーさんが日本語で近くにいてくれました。

おそらく私が突拍子もない方向に行きかけたときにうまく誘導してくれていたこともあったと思います(気づいていない)。

これまで3回の記事に分けて掲載しましたが、プロからしたら突込みどころ満載の進め方もあったと思います。

でもこれが私の全てで今の全力です。

あとはこれを使って結果で恩返しをするのみ!!

頑張ります!!

長々とご覧いただき本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?