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亀井善行 〜リーグ優勝 影の立役者〜

巨人5年ぶりのリーグ優勝は、この男抜きでは決して語ることはできない。

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巨人一筋15年目のベテラン・亀井善行である。

今シーズンは開幕から1軍入りすると、序盤戦は主に5番打者、時には代打の切り札としてベンチで備えるなどチームを支えていた。シーズン中盤に差し掛かる5月下旬からは、吉川尚輝が腰痛で長期離脱して以降、なかなか固定できずにいた1番打者を務めることになった。

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今シーズン初めて1番で起用された5月26日の広島戦では2安打1四球を記録し、その役割を十分に果たし勝利に貢献。6月12日の西武では、自身8年ぶりとなる先頭打者ホームランを含む4打点を挙げる大暴れを見せた。その後も1番打者として定着し安定した働きを見せ、見事5年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

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今シーズンの亀井は、打席の中で相手投手に球数を多く投げさせるなど粘りを発揮することで相手にダメージを与え、また、相手投手の球種やボールの調子を引き出すことで次のバッターからの対戦が有利になるよう演出していた。加えて一発を秘めた長打力を兼ね備えていることも魅力だ。初回から亀井坂本丸岡本と並ぶ超攻撃的な打順は、対戦相手からしたら脅威であり、大量得点を狙えるからである。

原監督は、1番打者について、「大事なフロントページ」「『ジャイアンツの1番』は責任は重い」と表現しつつ、出塁率の高さに加え「プロである以上、一発も欲しい」と高いレベルを求めていた。その期待に見事に応えてみせた。

亀井が今シーズン1番に入った試合は72試合で43勝28敗 勝率.597 (2019年9月28日現在)

「亀ちゃんはね。しっかりと仕事を果たしてくれている。何より彼が1番で出塁し、相手投手にしっかりと球数を投げさせる姿からチームは勢いというか、勇気をもらっている。」と頼りになるベテランを讃えていた。指揮官からの信頼も絶大だ。

また、亀井の一番の魅力は、なんといっても『守備』である。

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今シーズンも、ピンチの場面で幾度となくチームを救うファインプレーを魅せてきた。亀井の守備に関して原監督も「27歳ぐらいに見える」「亀ちゃんにしか取れない」と普段から絶大な信頼を寄せているほど。8月20日のファインプレーに関しては、「イチローでも後ろにいかせていたかも」「イチローは取ったかな?」と思わずレジェンドの名前を出してしまうほど大絶賛した。

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今シーズンの亀井の守備率は.995で、失策はわずか1つ。守備の評価指標を示す『UZR』で、今シーズンは、右翼手ではリーグ3位の『+8.2』をマーク。守備範囲を広さを示す『RngR』では、こちらも右翼手リーグ3位の『+6.3』という数字を残した。

以上の数字から、守備範囲も広く安定した守備力を備えていることが分かる。亀井自身も、「僕がここまで長くやってこられたのは、守備があったから」「守備に関しては誰にも負けていない」と人一倍強いこだわりを持っている。惜しくも、自身2度目のゴールデングラブ獲得は逃したが、37歳になってもなお衰えを見せない守備に来シーズンも期待がかかる。

これだけ高い貢献度でチームに貢献している亀井ではあるが、日頃から謙虚な姿勢は忘れていない。「脇役として何でもやらなければいけない」とフォア・ザ・チームの精神を常に持ち続けている。37歳を迎えても野球に対する真摯な取り組みとチームに対する献身的な姿勢で、多くのファンから愛されている。

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先日、阿部慎之助が現役を引退。来シーズンからはチーム野手最年長になる。精神的支柱としてチームを支えなければいけない立場になった。晩年の高橋由伸や阿部慎之助が担っていた役割を全うしなければいけない。そして、亀井自身も刻々と引退の時が近づいている。そんな円熟期を迎えたベテランの来シーズン以降の活躍を噛みしめるように注目していきたい。

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