イベント来場客数の予測は難しい - 尼崎城でのイベントを振り返って
2024年11月9日(土)。「鉄道模型で遊ぼう会」は、阪神尼崎駅近くの尼崎城に出張し、子どもたちが鉄道模型を運転できるコーナーを提供しました。
近隣の阪神電車尼崎車庫での「はんしんまつり」との連動企画として実施されたイベントです。
当日は、青空が広がる絶好の行楽日和。天候、立地ともに申し分のない条件が整い、スタッフ一同、多くの来場者を期待していました。
昨年比で予想外の来場者数
初めての開催だった昨年は、尼崎城全体で1,000人を超える来場者がありました。その中で鉄道模型コーナーには200人を超える子どもたちが訪れ、運転体験を楽しみました。
おかげでスタッフは対応に追われ、てんやわんやの状況でした。しかし、来場者の皆さんの笑顔に支えられて、とても充実したイベントになりました。
今年も、昨年同様の賑わいを期待していましたが、思ったよりも少ない印象。昨年比で60%程度の来場者数にとどまりました。
スタッフ一同、この予想外の結果に首をかしげています。
集客が振るわなかった理由を分析
周辺イベントとの比較
同日開催の阪神車庫でのイベントは事前予約制で、7,000人もの来場者を集めました。予約枠が埋まり、参加できなかった方も多数いたほどの人気ぶりでした。
一方、尼崎城の屋外エリアは予約不要で遊べるオープンなイベントでした。
芝生の広場の上に、SL型のふわふわ遊具やキッチンカー、人工雪の遊び場など、家族で楽しめる多彩な企画を用意していました。にもかかわらず、昨年と比べると少し寂しい状況でした。
考えられる要因
昨年と比べて、何が違ったのでしょうか?
天候面では、お天気があまりにも良すぎて、人々がより遠くへの外出を選択した可能性が考えられます。
コンテンツ面では、昨年と同様のプログラムだったために新鮮味が足りなかったとも言えます。
しかし、これらの要因だけで来場者数が減ったとは思えませんから、原因の特定は困難と言わざるを得ません。
イベント運営における課題
来場者数予測の重要性
私たちの鉄道模型コーナーは、来場者が減ってもスタッフが暇になるだけで、実害はあまりありません。
しかし、飲食関連の出店者にとっては、来場者数の減少は死活問題となります。食材の廃棄リスクを考えると、適切な準備量の見積もりは非常に重要だからです。
時折、ネットニュースで話題になる「イベント中止による大量の食材廃棄の危機」といった事態は、まさにこの予測の難しさを象徴しています。
不特定多数を対象とするオープンイベントでは、この予測がより一層困難になります。
事前予約制であれば、ある程度の来場者数は把握できますが、当日の飛び込み参加を前提としたイベントではそうはいきません。
どうすれば来場客数を予測できるか
高い精度で来場者予測をするためには、長年の経験の蓄積が必要です。
同じ場所で継続的にイベントを開催することで、季節や曜日、天候による来場者数の変動パターンを把握できるようになるかもしれません。しかし、現実には難しいでしょう。
高度化するテクノロジーの活用は、現実味があります。
携帯電波情報の分析やGoogleマップのような人流データを活用することで、より確度の高い需要予測が可能になるかもしれません。
AIやビッグデータの技術進化により、個人の出店者でも利用できる予測ツールの登場も期待されます。
今回のイベントは、絶好のコンディションが揃っていても好調な成果になるとは限らない、ということを改めて実感する機会となりました。
解決するための画期的な答えはありません。このようなリスクを減らす研究と努力を続けるしかなさそうです。
▼鉄道模型で遊ぼう会の活動はこちら