国道工事のため運休!? 陸羽西線の代行バスに乗ってきた
陸羽西線(りくうさいせん)の代行バスに乗ってきた話。
陸羽西線、どこにあるかわかりますか? 関西人にはなかなか馴染みがなくって、私も鉄道乗りつぶしのために東北へ何度も行って、ようやく頭に入りました。
陸羽西線は、山形県の日本海側にある酒田と鶴岡のあいだにある余目(あまるめ)という町と、内陸部の新庄をつないでいる路線です。
新庄は山形新幹線の終着駅で、奥羽本線の湯沢方面や陸羽東線の鳴子温泉方面にも接続する一大拠点となっています。
国道工事のために列車を2年間運休
今日の本題である陸羽西線は、全長47キロの短い路線なのですが、2022年5月からすべての列車を止めて、代行バスが運行されています。
代行バスというと、災害で鉄橋が流されたり、崖崩れが起きたりとかで、線路が復旧するまでのあいだ走らせるのはよくある事です。
しかし、この陸羽西線はちょっと事情が違います。
陸羽西線に並行して新しい道路、国道47号線のバイパスを作っているのですが、そのバイパスのトンネルが陸羽西線のトンネルのすぐそばを掘るため、万一に備えて列車を止めることになったのです。それも2年間。
道路工事のために列車を2年間も止めるなんて、かなりの荒業ですよね。でもまあ、理解できなくもありません。
この陸羽西線はもともと運転本数が少なく、利用が低迷している路線であるため、「あれこれ対策を講じるより、いっそバスにした方が話が早い」という結論になったのでしょう(筆者の憶測です)。
列車代行バス乗車記 新庄→余目 2022年6月
6月30日に、新庄から余目まで代行バスに乗りました。
大人の休日倶楽部パスを利用して、山形新幹線で新庄に着きました。
新庄駅の電光掲示板。陸羽西線は「代行バス(各駅停車)」と表示されています。
代行バスのバス停は、新庄駅前のバスロータリーにあります。
2022年5月14日から2024年度まで運休するという掲示。
このまま列車が戻らず、バス運行が固定してしまうのではないか、と地元は危機感を持っているみたいです。山形県知事が、そうならないようにとJR東日本に釘を刺すコメントしていました。
列車代行バスですので、JRのきっぷで乗れます。というより、JRのきっぷを買わなければ乗れません。新庄駅や余目駅の自動券売機できっぷを買っておいて、バスを降りるときに運転手にきっぷを渡します。
バス車内できっぷの発売はありません。また、両替機もありませんので、途中駅で乗下車する場合は、小銭を用意しておきましょう。
私は大人の休日俱楽部パスで乗車しました。青春18きっぷや北海道&東日本パスでも利用できます。
バスの本数は、列車と同様の本数が確保されていて、1時間から2時間に1本走っています。
しかしながら、所要時間がずいぶん長くなってまして、新庄から余目まで、列車で45分程度だったのが、バスは90分程度と2倍もかかります。
線路なら一直線に行ける所も、バスは狭い道をノロノロと進まざる得ず、道路状況を考えて余裕のあるダイヤにしているのでしょう。
新庄駅前にある、列車代行バスのバス停。緑色のバス停の看板があります。
私が行ったときは、15人くらい乗車していて、鉄道ファンとおぼしき人の割合が多かったです。
車両はリッチな大型バスで、座席はリクライニングシート。列車よりも快適かもしれません。
最上川です。
ちょうど雨が降ってまして、「五月雨を 集めて早し 最上川」という松尾芭蕉の句を彷彿とさせる風景です。
川幅いっぱいに轟々と流れていました。
陸羽西線の古口駅。
場所によっては、駅前ではなく、駅から離れた幹線道路沿いにバス停を設置しているところもありました。
途中の駅(バス停)から乗車する人はほとんどいませんでしたが、新庄から乗って、途中で降りる人はちらほらいらっしゃいました。
陸羽西線の日本海側の終着駅、余目。
私が乗った代行バスは羽越本線の酒田駅まで直通する便でしたが、バスは時間がかかるため、余目で降りました。
余目駅に到着した列車代行バス。山交バスの車両です。
途中ですれ違った新庄行きの代行バスは、JRバスの車両でした。何社かに委託して運行しているようです。
青春18きっぷで代行バスの旅はいかが?
もうすぐ夏休みシーズン。
青春18きっぷや北海道&東日本パスで、陸羽西線の列車代行バスに乗れます。東北旅行を計画されているのであれば、ぜひ乗りに行ってみてください。
たまにはバスの旅も面白いものですよ!
2年後の、列車運行再開も待ちどおしいですね。
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