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最好映画。 138 「股旅」 1973年。

市川崑監督。1973年の映画なんですが、全くそんな感じをさせません。股旅の若者3人を暗く楽しくしつこく描く、青春映画。冒頭の仁義の切り方のくだりが、もう最高です。「おひかえなすって」を真面目にやるといかに面倒で長いかをきっちり描きます。一人目でも長いのに、省略せず二人目も。三人目、萩原健一の挨拶の段で、受け方の常田富士男さんが「以降の仁義、略させていただきとう存じます。どうでがんす?」爆笑です。尾藤イサオ・小椋一郎・萩原健一の3人がこれまた最高。早口すぎてよくわからないけど、若者のダメさと楽しさが共存していて、スゴいです。市川崑さんの映像はいつも美しくて、片側からの光というのは日本家屋な以上、当たり前なんですが、黒が深い。小林節雄さんの撮影、西岡善信さんの美術、ATG映画に関わらず、きっちり市川崑調で美しいです。古びた感じがしないのはそのせいかもしれません。市川崑監督コーナーにあるはずです。


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