最好映画。 115 「コヤニスカッティ」 1982年。
久しぶりに観直して、その意味が変わる映画ってありません?年齢のせいだとは思いますが笑。文明批判映画として名高い「カッツィ」三部作の第一作。70年代後半のアメリカ映画を追いかけていると、コッポラプレゼンツであるがゆえに必ずここに行き着くという不思議な映画です。自主制作なために映像が全く観れなくて、もどかしい思いをしましたが、1985年にVHSで初めて観て以来、ずっとファンです。ゆーーーーったりとした風景とロケット発射(アポロ12号のサターンロケット)の超スローモーションから始まって、広大な景色からだんだん街中へと至り、人混みに至るとスピードがどんどん速くなって、カオスな映像にカオスな音楽が重なって、もうやめてー!というくらい続いた後に、冒頭の広大な景色に戻る、本当にそれだけの、セリフも説明も何にもない映画です。音楽はフィリップ・グラス。カオス感を盛り上げる人の声が極限に至るまで20分間、トリップさせてくれます。お仕事始めた頃は、映像資料として何度も見せられたり資料として切り出したりしていたのですが、映像技法のオンパレード。空撮、定点撮影、高速度撮影、微速度撮影(いまでいうタイムラプス)、移動撮影に手持ち撮影。THE GRIDにおけるクルマのテールランプが流れる様は何度見たことかw。10年ぶりくらいに資料としてみんなに観てもらって、フィルム撮影なのに移動するタイムラプス映像とか、こんな場所よく見つけたなとか、今の目で観ても優秀な映像であることが嬉しかったです。そのリズムとか突如起こる静寂とかが気持ち良い上に、文明も悪くないし、いずれ元戻るよって言われた気がして、なんか落ち着けました。昔は批判にしか見えなかったですけど。年のせいだなw 後の二部作「ポワカッツィ」「ナコカッツィ」と合わせて邦題が「コヤニスカッツィ」になってるみたいですが、どうも馴染めない笑 Youtubeに全部上がってるケースもありますが、劇場で観てみたいです。
環境映画とか、コッポラのコーナーに間違ってあったりします。
三部作の公式
http://www.koyaanisqatsi.org
http://www.imdb.com/title/tt0085809/
www.morigu.com のんびりしてます。