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沖縄行きの切符を掴むのはどちらか!?宇都宮BREXvsベイエリアドラゴンズを振り返る。

こんにちはnorisuke06です。

今回は宇都宮BREXと琉球ゴールデンキングスが参加したEASLの第2戦宇都宮BREX対ベイエリアドラゴンズのゲームについて書いていきたいと思います。


ベイエリアドラゴンズとは

ベイエリアドラゴンズは中華圏のチームでEASLのために2021年に創設されたチームです。

NBAでもプレー経験のあるニコルソン選手、パウエル選手を擁しています。

また、強力な選手だけでなくHCにはブライアン・ゴージャン氏が初代HCを務めており、ゴージャン氏はオーストラリアナショナルバスケットボールリーグで6度の優勝を誇り、2020東京オリンピックでオーストラリア代表を銅メダルに導いた名将でもあります。

ベイエリアドラゴンズの初戦は韓国のソウルSKナイツとの試合で、序盤こそはリードしていましたが、逆転を許し、敗戦。

それでもニコルソン選手は35得点、パウエル選手25得点の活躍。

得点能力は日本人選手に比べるとかなり高いように思えます。

ちなみに日本のBリーグの最多得点記録は2018―2019シーズンに栃木BREX(現宇都宮BREX)に所属していたライアンロシター選手の52得点が最高で、今年2月に行われた天皇杯セミファイナルで河村勇輝選手の45得点も大きな話題となりました。

ロシター選手の52得点、川村選手の45得点と比べるとニコルソン選手の35得点パウエル選手の25得点はたいしたことないようにも見えますが、ニコルソン選手、パウエル選手はこの大会のためにわざわざ海を渡って日本に降り立ち、疲労が回復しないままの状態で試合に望んでの得点ですから、僕個人としてはロシター選手、河村選手と同じくらい凄いことだと思います。

ベイエリアドラゴンズはこの2人の選手だけでなく、身長が2m25cmのリュウチャンシン選手という長身の選手もおり、海外チーム特有のスキルの高さだけでなく、得点能力の高さ、リバウンドでの優位性と宇都宮BREXにとってはかなりの強敵になりそうです。


この試合の重要性

第2戦となるこの試合。

宇都宮にとっては非常に重要な試合になります。

25万ドルというとんでもない額の賞金がかかる今大会ではレギュレーションの変更により参加8チームを2つのグループ分け、総当たりではなく2チームとの試合を行い、その勝敗と得失点差で順位が決まるという変則的なレギュレーションとなりました。

前回のTNTトロパンギガ戦で快勝している宇都宮ですが、この試合で負けてしまえば予選敗退。

次に進むためには勝利が絶対となるのですが少々複雑な条件なのでまとめてみます。

  • 宇都宮がベイエリアに勝利 → 得失点差でソウルを上回り宇都宮が決勝

  • ベイエリアに宇都宮が負ける → 勝敗数が1勝1敗で並ぶが当該チームの対戦結果で勝利チームが上位となるためベイエリアが3位決定戦へ。宇都宮は予選敗退。

互いに勝ちが必須となる試合です。


スターティングファイブ

ベイエリアドラゴンズスターティングファイブ

ヤン グレン

ズー ソンウェイ

ブランキー

パウエル

ニコルソン


宇都宮BREXスターティングファイブ

鵤 誠司

比江島 慎

遠藤 祐亮

グラント ジェレット

ジョシュ スコット


この試合の注目選手

この試合で注目したいのは遠藤祐亮選手。

リーグ戦含めEASLでもエースキラー級のハードなディフェンスと得意のスリーポイントシュートでチームを勢い付けてきました。

勝ちが絶対に必要なこの試合で相手キーマンを止められるか注目です。

そしてゴール下の攻防ではニコルソン選手を止める必要がありますのでジェレット選手、スコット選手、竹内選手のリバウンド争いがこの試合に勝つためのキーポイントとなると思われます。


宇都宮BREX vs ベイエリアドラゴンズ ティップオフ!!

先制パンチはどちらが与えるのか!?第1Qスタート!

ジャンプボールは宇都宮が制す。

開始早々、いい形でスコット選手、鵤選手ミドルショットを打つが決まらない。

その後ベイエリアもミドルショットを打つが外れてしまい互いに最初のシュートは決まらない。

この日最初の得点は比江島選手のスリーポイントが決まり3−0となる。

開始早々ジェレット選手とソンウェイ選手の戦い。

ジェレット選手が果敢にゴールへ向かいファウルをもらう。
フリースローを決める。

しかし、ベイエリアも果敢にアタックする姿や遠藤選手のシュートをブロックしたりと攻守にわたり好プレーを見せる。

6分11秒でソンウェイ選手とリュウチャンシン選手と交代。

宇都宮も比江島選手と高島選手を交代。

パウエル選手のマッチアップをハードなディフェンスのできる高島選手を当てるもベイエリアはしっかりとスクリーンを使ってパウエル選手のスピードを活かしてくる。

宇都宮も強度の高いディフェンスで好きにはさせないが最後にシュートを打たれてしまい点差がつく。

この時点で15−21と6点ビハインドの宇都宮。

宇都宮のタイムアウト明け、比江島選手、荒谷選手がコートイン。

最初のオフェンスはうまくいかず嫌な流れが続くもディフェンスでなんとか持ち堪える。

第1Q終了。17−23で宇都宮がビハインド。

長身のリュウチャンシンの活躍もありリバウンド数では7−15とベイエリアが大幅にリード。

オフェンスリバウンドとディフェンスリバウンドの両方に修正の必要があるように見える。


流れを掴むキーポイントは得意のアレ!

2Qスタートには竹内選手がコートイン。

ベイエリアボールから再開。

宇都宮の強固なディフェンスがあり、しっかりと守る。

比江島選手がスリーポイントを決めるがパウエル選手がスリーポイントを決めやり返す。

比江島選手がアタックから点を決めるとパウエル選手がディープスリー、リュウチャンシン選手のダンクとやられてしまう。

ベイエリアは宇都宮の攻撃後に先に走っていた選手にパスを出し、ファストブレイクで点を重ね24−35と11点ビハインドとなる。

宇都宮が2回目のタイムアウトで流れを切りに行き、タイムアウト後にTNT戦で素晴らしい活躍を見せた渡邉選手を投入。

渡邉選手のゲームコントロールで流れが良くなり比江島選手のアタック。ジェレト選手の得点などで7−0のラン。

しかし、その流れを切るかのようにブランキー選手のスリーポイント、ニコルソン選手の得点でリードを許さないベイエリア。

比江島選手のアタックに合わせた竹内選手が得点し36−40と4点差に縮めた宇都宮。

ベイエリアがタイムアウトをとって流れを切りにくる。

タイムアウト明け宇都宮はオールコート2−2−1のゾーンディフェンスを見せるもギャップを突かれ簡単に破られてしまいファウル。

相手にフリースローを与えそれを決められてしまう。

その後、遠藤選手が今日初めてのスリーポイントを決める。

さらに、硬いディフェンスから流れを掴み始めた宇都宮。

鵤選手のスリーポイントで42−43と1点差まで迫る。

残り時間1分、遠藤選手のスクリーンを使った比江島選手がアタックし、46−45で逆転に成功。

一進一退の攻防が続く中、ブランキー選手のスリーポイントシュートに対しジェレット選手のファウルでスリーショット。

2本を決め46−47再逆転を許すが、すかさず遠藤選手のスリーポイントを決め、第2Q終了。

49−47で宇都宮がリードして前半を折り返す。


前半の振り返り

序盤、インサイドでやられる場面とパウエル選手にやられる場面が目立つも第2Qで比江島選手のアタックとディフェンスで逆転に成功した宇都宮。

後半もパウエル選手に気持ちよくプレーさせないということとリバウンドが重要になると思われます。


勝負の第3Q主導権を握ったのは…

第3Q、ベイエリアはスタートからリュウチャンシンを投入する。

宇都宮ボールからのスタート。

序盤からトランジションの早いプレーを見せるベイエリア。

ジェレット選手が早々にファウルをし、フリースロを与え49−49とされる。

鵤選手のパスをカットしたパウエル選手のアシストから得点され宇都宮はいい入りができない。

直後のプレーでも鵤選手のパスをカットして自ら点をとりに行ったパウエル選手にファウルをし、49ー54といきなり突き放されてしまう。

ベイエリアのオフェンスで外れたシュート拾いトランジションで遠藤選手のスリーポイントが決まる。

その後ベイエリアは早いオフェンスを次々に繰り出し、ジェレット選手が3回目のファウルをしてしまう。

ジェレット選手に替わって入った竹内選手のスクリーンを使って遠藤選手がミドルショットを打つが入らない。

遠藤選手、渡邉選手とシュートを打つも外れてしまいいい形でオフェンスができているがなかなか流れを掴みきれない。

一旦はベイエリアが攻め込むもボールを奪った宇都宮。

竹内選手のスリーポイントが決まり57−62と点差を縮める。

その後、ニコルソン選手の個人技に惑わされファウルが吹かれてしまう。
宇都宮佐々HCが2回目のタイムアウトをとり立て直しを図る。

タイムアウト後、宇都宮のオフェンス。

渡邉選手の打ったスリーポイントのリバウンドを拾った竹内選手がエンドワン。

フリースローは決められなかったものの、その後の高島選手の連続スリーポイントと徐々に宇都宮の流れを掴むきっかけを作る。

ベイエリアのバーフィールド選手も冷静にミドルショットを決めるなどしっかりとやり返してくる。

65ー73で第3Qを終える。


沖縄への切符を掴むのはどちらか!?勝負の行方は…

第4Q宇都宮は手を使いながらボール切り簡単には点を取らせない。

しかし、ニコルソン選手のシュートが入りこの日ニコルソン選手は24得点。

高島選手がボールを奪い、前を走ったスコット選手がそのままシュートへ行き相手のファウルをもらう。
フリースローも決めるがソンウェイ選手がシュートを決め点差を縮めさせてもらえない。

ベイエリアの硬いディフェンスの中、ギリギリまでボールを回しジェレット選手がタフショットになりながらもスリーを決め74−77と点差を縮める。

流れを掴みかけているところで宇都宮のミスで簡単に得点を許してしまう。

タイムアウト後に躍動したのは大東文化大学4年の特別指定選手、高島選手でした。
タイムアウト後のスローインでしっかりとセットオフェンスをすることができ、高島選手のスリーが決まる。

佐々HCが高島選手のためにセットオフェンスを組んだように見える。

さらに高島選手のミドルショットと高島選手が活躍。

しかし、ベイエリアもバーフィールド選手が冷静ミドルとスリーポイントをきめ流れを渡さない。

宇都宮も得意のファストブレイクからスコット選手がファウルを貰う。

ファウルの笛が鳴ったところでベイエリアがタイムアウト。

スコット選手のフリースローまでに時間をかけ心理を揺さぶることも目的としながらもゲームクローズのプランを伝えていると思われる。

タイムアウト明けのスコット選手のフリースローは2本揃えベイエリアの背中を追いかける。
その後の宇都宮のディフェンスはトラップを仕掛けに行くもパウエル選手のスピードで簡単にこじ開けられてしまう。

宇都宮はスコット選手のポストプレーからファウルをもらいフリースローも2本揃える。

宇都宮はディフェンスでトラップを積極的に仕掛けるも海外ならではの個人技で打開されてしまう。

残り42秒、トランジションの中で遠藤選手のスリーポイントを決め88−92とするが急いで点をとりたい宇都宮。

残り36秒スティールをするも比江島選手のファウルでベイエリアボールになってしまう。

その後もトラップに行った宇都宮はファウルをしてしまいボーナス2ショットをバーフィールド選手が2本決める。

88−94と時間がない宇都宮はまずはクイックヒッターを狙いたいところ。

フロントコートからのリスタート。

タイムアウトの間で確認した戦術が噛み合わずミスとなる。

ファウルゲームにプラン変更した宇都宮の粘りも虚しく90−96でベイエリアドラゴンズの勝利。

この結果ソウルSKナイツが決勝、ベイエリアドラゴンズが3位決定戦に進出となり、宇都宮BREXは予選敗退となってしまいました。


最終スコアは

           1Q 2Q 3Q 4Q

宇都宮BREX      17  32  16  25 |90

ベイエリアドラゴンズ 23  24 26 23 |96



チームで海外に挑戦した収穫

EASLに出場した宇都宮BREX。

チームとして海外に挑戦し、宇都宮の持ち味であるディフェンスやトランジションが国外のチームにもしっかり通用するということを見せてくれました。

残念ながら予選敗退という結果になってしまいましたが、Bリーグでは経験できない海外選手の個人技の高さや早いオフェンスを体験できたことは今後の宇都宮BREX、日本のバスケにとってはいい収穫だったと思います。

しかし、今シーズン課題となっているガード陣のミスやコントロールの部分のミスがここでも見られ、勝負どころで相手に流れを渡してしまいました。

特に3Qではいい流れで運べる場面もありましたが、点をとっては取り返されの繰り返しが続いたのは体力的にもメンタル的にもかなりダメージが大きかったと思います。
宇都宮がディフェンスをサボっていたのかといえばそうではないのですが、単純にベイエリアの方が得点への意識が高かったという方が正しいかもしれません。

当たり前の話ですが今大会での良かった部分はさらに伸ばし、悪かった部分はクリアできるようにしていくことでさらにレベルアップした宇都宮BREXが見れると思います。

海外チームと試合をする機会はないかもしれませんが、この経験を活かし、レベルアップをすることでBリーグ内の強豪ともさらに白熱した試合を繰り広げてくれるようになるでしょう。


まとめ

さて今回は宇都宮BREXのEASL第2戦について書きました。

悔しい気持ちもありますが収穫もありました。

リーグ戦は後半戦になりワイルドカード争いも注目されますが宇都宮はCS進出が厳しい状況に立たされています。

EASLで何か弾みがついてくれたらいいですね!


次回は宇都宮BREXのバイウィーク明けの初戦、千葉ジェッツ戦について書いていくつもりです。

それではまた。

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