【理数力】の高いシンガポールの教育事情を調査
みなさん、こんにちは。
のりそらです。
『教育に選択肢を、人生に革命を』をモットーに、
経営理念を『明日も行きたくなる学校』すなわちNEXTAGE SCOOLの創造とした次世代の学校を作りたいと考えて活動しています。
ここでは、教育に関わるテーマを1つ挙げて、それについての考えを共有しつつ問題提起を行っています。
さて、今日の目次です↓↓
『理数力』
『理数力』というテーマでお話をしていきたいと思います。
国際教育到達度評価学会(IEA)というところがありまして、そちらが8日、世界の小4と中2に当たる学年を対象とした2019年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表しました。
気になる日本の平均得点は小4理科が7点下がったものの、小中全てで5位以内に入り、トップレベルを維持しています。
学習意欲を尋ねた質問では「算数・数学、理科は楽しい」と答えた小中学生が増え、「理数嫌い」に改善傾向が見られたようです。
これを受けて、文部科学省は「学校や教育委員会による積極的な取り組みの成果」と評価しているといいます。
ただ、学習意欲は中学生になると下がる傾向があるため、対策を進めるとしています。
もっと詳しくこの調査の結果を見てみると、小学4年生の算数は5位、理科は4位、中学2年生の数学は4位、理科は3位となっています。
驚くべきことに、第1位の国は全ての教科で同じ国なんです。どこだと思いますか?正解は、
シンガポールの教育
”シンガポール”なんです。
意外じゃないですか?その他上位に上がるのが、台湾、韓国となっています。
話をシンガポールに戻すと、やはり『なぜ?』と疑問があがりますよね。そこでシンガポールの教育事情について調べてみました。シンガポールの教育で特徴的なものは2つあり、1つは、「ストリーミング制」と呼ばれる、”進学時の試験”で進路を決定する制度が特徴としてあります。
また、2つ目に英語と母国語を習得する「バイリンガル教育」も有名です。ストリーミング制度による能力主義とバイリンガル教育の組み込み等の要因から、シンガポールは高い教育水準にあると言われているのです。1つ1つ見ていきましょう。まずは、
「ストリーミング制」
「ストリーミング制」について。ストリーミング制とは、小中学校を卒業する段階で試験を受け、成績に応じてその後の進学するコースを決定する制度です。
シンガポールの義務教育は、6~12歳の初等教育の6年間です。
日本は9年間ですから、それと比べて短い年数となっています。この初等教育修了時に、進学を希望する全生徒が試験を受験します。
中等学校は、初等学校卒業試験(=「PSLE」:Primary School Leaving Examinationの略)の成績で、
【Express】【Normal(Technical)】【Normal(Academic)】の3つのコースに原則振り分けられます。
PSLEの合格率は例年98%程度で、合格するといずれかのコースに進学できます。
Expressが上位のコースであり、中学校1年生のおよそ6割がExpressに在籍しているようです。
ただし、この「ストリーミング制」は、初等教育において2008年に廃止されています。
さらに、2019年3月にシンガポールの教育省は、2024年から4年間にわたって段階的にストリーミング制を廃止することを決定しています。
よって、この制度はもうすぐ終わってしまう制度です。続いて、
「バイリンガル教育」
「バイリンガル教育」について。
英語と母語を学ぶ教育制度のことを言います。
シンガポールは中国系・マレー系・インド系などからなる多民族国家であったことから、共通語を必要としました。
イギリス植民地時代に使用された英語を共通言語と定め、英語と母語を学ぶ二言語政策が実施されるようになりました。
よって、シンガポールでは、2カ国語を学ぶようになっています。授業でも、英語と母語の二言語が使われているようです。続いて、
シンガポール教育のこれから
これからのシンガポールの教育はどうなっていくのか?という話をしていこうと思います。
今後のシンガポールの教育制度の大きな変動として、ストリーミング制の廃止とEdTechへの関心の高まりの2点が挙げられます。
ストリーミング制を廃止
先ほど触れたように、2019年3月にシンガポールの教育省は、2024年から4年間にわたって段階的にストリーミング制を廃止することを決定しています。
シンガポールの日刊新聞「THE STRAITS TIMES」によると、現在のExpress・Normal(Technical)・Normal(Academic)の3コースを廃止、G1・G2・G3の3つのレベルで、科目別の教育を提供する予定になっているそうです。
2008年に行われた初等教育におけるストリーミング制廃止と同様の措置が、中等教育でも行われると考えられます。
シンガポール教育省が発表したプレスリリースでは、初等教育・中等教育における学期試験・中間試験の中止が2019年以降実施される予定です。
さらに、”学生が自分の学習に集中できること””過度な学生間での比較を抑制すること”を目的に、これまで発表してきた学生ごとのクラスやレベルのレポートを廃止する予定になっているようです。続いては、
「EdTech」
「EdTech」について。
シンガポールで2019年11月4~6日の3日間、「Edutech Asia Summit 2019」が開催されています。
Edutech Asia 2019では、ITが学習方法や授業の手段・場所に及ぼす影響などについて議論され、MicrosoftやAmazonなど約120の企業が出展しています。
K-12、幼児教育、、第3期教育、SEN、学生の募集と入学者選考、職業教育、スマートスクール、スマートキャンパス、STEAMの9つの分科会、教育・ITに関する先駆的な取り組みを行う350人の専門家による講演が行われました。
シンガポールは、2008年から教育政策「フューチャースクール@シンガポール」を実施しています。
この政策は、学校を選定しICT環境を整備、教授法や教育内容について変革を行っています。
例えば、1人1台コンピュータを使える環境の構築、低学年向けのタブレットPCを使った共同学習などの施策を実践しています。
以上がシンガポールの教育の主なものです。
まとめ
これまで取り入れてきた「ストリーミング制」による競争意識、これが新たな形に変わるようです。
どのように学習刺激を与えていくかは、これから注目すべきところかなと思います。
また、「EdTech」のような教育のIT化は確実に世界レベルで浸透していくことを確信しましたね。
日本も遅れを取らずに行けると良いと思います。
さて、今日は、『理数力』をテーマに、その力の高いシンガポールの教育についてのお話をさせていただきました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。