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楳図かずお大美術展ーマンガと芸術の大転換点 〈monologue108〉

おはようございます。のりしろ太郎です。
この夏、頻繁に金沢21世紀美術館に訪れさせていただいています。この秋、金沢21世紀美術館は開館20周年を迎えます。そんな節目に合わせて一冊の本が出版されます。その本に掲載する写真撮影のために頻繁に訪れさせていただいているわけです。
今日は、9月12日(木)に観てきた展覧会について書かせていただきます。
木曜のこの日は、今日も美術館で撮影で訪れました。しかしながら急遽予定が変わってしまい、撮影まで時間が空いてしまいました。せっかくなので、現在、市民ギャラリーAで行われている「楳図かずお大美術展」を観覧することにしました。ちょうどこの日が展覧会の初日。

楳図かずお大美術展ーマンガと芸術の大転換点ー
会期 2024.09.12-10.05
会場 金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA

展覧会のポスター

楳図かずおについて

楳図かずおは1936年に和歌山県で生まれ、その後奈良県で育ちました。彼は高校生の頃に漫画家としてデビューを果たし、初期から注目を集めました。代表作には『へび少女』や『猫目小僧』などがあり、これらの作品が大ヒットし、楳図は「ホラーまんがの神様」として広く知られるようになります。さらに、彼の代表作『漂流教室』では、1975年に第20回小学館漫画賞を受賞し、その作風が評価されました。また、ホラー以外のジャンルでも成功を収め、特に『まことちゃん』はギャグ漫画として大ヒットし、社会現象を巻き起こしました。彼はその後も『おろち』や『わたしは真悟』など、数々の名作を世に送り出し、日本の漫画界に多大な影響を与えました。2018年には、フランスのアングレーム国際漫画祭で遺産賞を受賞し、世界的にもその功績が認められました。そして2023年には、日本国内でも名誉ある手塚治虫文化賞特別賞を受賞し、その影響力と功績が改めて評価されました。

コロナ禍のころに撮影されたモノだろうか。マスクが目元まで覆い表情を伺えないですが、元気そうです。1936年9月3日生まれの88歳。この年齢にして創作意欲は無くなることないのだろうか。頭が下がります。
展覧会場に入ると大きなグラフィックがお出迎え。
やはり楳図といえば、ホラー漫画でしょう。精密な描写と陰影の強いタッチが怖さを倍増させます。
何本も細かくペンが入るシャドウ部。緻密な描写が狂気の世界を作り出します。
絵画だけでなく、モニターによる展示も。

本展では、地球規模の気候変動やAI、遺伝子工学など現代の問題を背景に、楳図かずおの代表作『わたしは真悟』『漂流教室』『14歳』が取り上げられます。さらに、27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』が初公開され、全101点の連作絵画として鑑賞できる。

楳図かずおが27年ぶりに発表した新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』が本展で展示されます。この作品は『わたしは真悟』の続編で、パラレルワールドを描いています。4年かけて完成した本作は、101点のアクリル絵画による連作で、鮮やかな色彩と力強い筆触が特徴です。物語性を持ちながらも、マンガのようなコマ割りはなく、一枚一枚が独立して鑑賞できる作品。
グッズの販売ではTシャツなど定番グッズに加え、スケートボードの販売も。ちょっと欲しくなりました。我慢我慢…

おわりに

101に及ぶ連作を観覧して感じたこと。楳図は漫画家ということもあり、1枚1枚にことこまかな設定とストーリーがある。ここまでストーリーを持っている絵は一般的な絵画ではあまりないでしょう。やはり楳図の絵画は漫画なのだと感じました。とはいえ漫画が大衆娯楽のサブカルチャーかといえばそうとも言えない。映画のように総合芸術だと思う。今回の巨匠 楳図かずおの作品を通して、あらためてそう感じました。
マンガは芸術か?長きに渡り大衆文化として見なされてきた。サブカルチャーではなくアートのメインカルチャーとして真に認められていくか今後も注目したい。
展覧会を終えて、なんだか私も絵を描きたくなった。

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