21人の姫と砂漠を旅する冒険、その後ロンドンでヒーラーになりました
未来を見に行く冒険 その5
2000年の夏の終わりは21人のお姫様たちと砂漠を旅していました。まるで月の砂漠、あるいはアラビアンナイトのようなイスラム文化の中で数日を過ごしました。
その頃、私は設計事務所を営みながら短大でコンピューターデザインやスペースデザインを教えていました。
その短大では夏休みに希望者を募って海外デザイン研修を行なっていました、海外へ出て世界のデザインを体験するというものです。
その年は私とO先生が企画を任されました、その頃やっと一部で注目され始めたイスラムデザインとイギリスとフランスのデザインを体験する冒険旅行を企画しました。
支配された国と支配した国のデザインを体感するのが目的です。その頃はイスラムのデザインはまだまだ一般的ではありませんでしたが、感性の鋭い表現者たちは何かを感じ始めていました。
世界が一気にイスラム文化に注目を集める9.11のちょうど一年前のことです。何とゆうタイミングでしょう、これを機会に世界は騒がしくなって行きました。
旅の日程は
カサブランカ
哀愁の国でイスラム文化を味わう
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マラケシュ
フナの広場で毎夜行われる異国の祭りの中でイスラムの人々の息吹を感じる
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サハラ砂漠
砂と空と光の中で、色は光なんだと実感する
砂でできた貧しい村の子供たちの目はキラキラしていたと姫たちは言った。いいね、その感性を大事にね
↓
フェス
迷路の街を彷徨って美しい宮殿に着いた、魔法みたいと日本の姫たちはイスラムの姫になった
↓
カサブランカ
イスラムの美しいモスクでも日本式のお祈りをする、まあいいか
↓
ロンドン、パリへ
支配された国を体験して、いよいよ支配した国を訪れます
日本も支配された国です、負けた思いも知って世界と仲良くなれる国です。それをデザインで実現できると、学生たちに感じてもらう海外研修でしたが、ロンドン、パリのブランド街を通ったら目をキラキラさせて散って行きました。おいおい、
夕方、お姫さまたちは戦利品を抱えて帰って来て、美味しい食事をして幸せな眠りにつくのでした。
ロンドンの静かな夜を部屋で楽しんでいると、コンコンとドアをノックする音
「どうしたの?」
とドアを開けると
「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが熱出した、それも高熱」
えっ、と急いで部屋にゆくと二人はハァハァ言いながらベッドで寝ている、額に手を当てると熱い、熱を測ると39度、さあ大変。
さてどうしたものかと考えていると、
「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが熱出した、それも高熱」
と別の部屋の学生がやって来る、えっあなた達もかと天井を仰ぐと
「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが熱出した、それも高熱」
と別の部屋の学生がやってくる
「大丈夫、わかってる」
旅行社の添乗員は別チームと他のホテルにいた、電話しても出ない何とバッドなタイミング、私の語学力ではこの状況を説明して適切な指示を出すのは心もとない。
伝染病にかかったのだろうか?
フナの広場がいけなかったのだろうか?
彼女達は助かるのだろうか?
こりゃあ、大学はクビだな?
と、持たなくてもいい不安が頭の中をよぎる。
うーん、そうだガールフレンドに電話しよう。彼女は去年までロンドンに留学していて地理にも詳しいはず。
しばらくして、今すぐここに電話してと電話番号を伝えてきた。どうやらホテルの番号でエクステンションナンバーも入っている
「何これ?」
と聞くと
「いいから直ぐに電話するの」
とのこと、部屋に戻って言われたとおり電話をすると
「あっ、どうも何やら大変そうだね」
と天領のヒーラー先生の声
「そうなんです、今ロンドンですけど、海外研修で連れて来た学生が高熱を出しててんてこ舞いしてます」
「それは大変、じつは私も今ロンドンにいます」
「えっ、ロンドン?」
「はい、ホリスティック学会の医師達とイギリスのホリスティック医療や心霊治療の視察に来ています」
「おおっラッキー、先生助けてください」
「大丈夫、ヒーリングはもう出来ますからご自分でやってみてください」
「えっ、私がですか?」
「はい、私も手伝いますからやってみてください、ロンドンは心霊治療のメッカですからきっとうまく行きますよ、じゃあねえ」
と電話が切られた。
しかし何とゆうグッドなタイミング、先生がイギリスへ行くなんて知らなかったし、私がロンドンへ行くことを先生も知らない、こんなタイミングってあるのだろうか?
まるで魔法みたい。
学生達の部屋に戻って彼女達の熱を下げるためのヒーリングを始めた、15分もするとこれで大丈夫と頭に浮かんだので、次の学生のヒーリングを始めた。
二人目が終わった頃に最初の学生を見ると、呼吸も穏やかになって静かに眠っていた。
次の学生の部屋に行き同じようにヒーリングをしました、しばらくすると静かな眠りにつきました。
自分の部屋に戻ると日付はとっくに変わっていて、やれやれと眠りにつきました。
翌朝、朝食を摂っていると学生達がやって来て、にぎやかに朝食を食べて街へ出て行きます。昨夜の高熱のことなどすっかり忘れているようでした。
別チームの先生に聞くと、昨夜は変わったことは何もなかったそうです、同じ行動をしていたのに私のチームだけの出来事だったようです。
昨夜ガールフレンドに助けを求めると、彼女はヒラー先生に電話したそうです、もちろん先生がロンドンにいることなど知らずに。
先生が電話に出るとロンドンにいることを知ります、何と都合のいいことかしらと手際よく説明して私を助ける手配を整えてくれました。
帰国後、彼女との話
「あなたって、不思議な運を持っているよね。普通困っている時に偶然先生の近くにいるなんてありえないよ、それもロンドンびっくりした」
確かに同じ市内に住んでいても友人とデパートで偶然会うことなどほとんどありません、ましてロンドンで困っている時に偶然遭うのは、ほとんどありえないでしょう。
本当に不思議なことです、まるで魔法。
さて、ロンドンの二泊目の夜も別のお姫様が高熱を出します。
「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが熱出した、それも高熱」
「はいよ、おまかせ、心配はいりません」
今宵もヒーリングで6~7人のお姫様をお助けするのでした。
三日目の夜はパリです。今宵も別のお姫様が高熱を出します。
「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが熱出した、それも高熱」
流石に三日目ともなると不安はありません、初日のように終わった後にグッタリ疲れることも無くなり、時間も早くなりまました。
私はロンドンでヒーラーデビューとあいなりました。私がなりたいのは建築家でヒーラーではないのですが、まあ経験としてはいいかなとちょっと嬉しくなっていました。
次の日は移動のバスの中で、一人のお姫様が高熱で倒れてしまいました。昼間から始まったのかと目の前が暗くなりましたがヒーリングを始めると ”3時間後に治るよ” と頭の中に浮かんできます。
「大丈夫だよ、3時間で治るから心配しないで」
「じゃあ、ヴィトンへ買い物に行ける?」
だって、
私は他の学生達を別のチームの先生に任せて、熱を出した学生とタクシーでホテルへ向かいました。彼女を部屋に戻してラウンジでコーヒーを飲みながら過ごしていました。
それから3時間後に熱を出した学生が元気に降りてきて
「先生、行ってくるね」
と元気にお買い物に出て行きました。
この四日間で私のチームの学生は21人中18人が高熱を出しましたがヒーリングをして一晩寝ると何事もなかったかのように元気になりました。
私のヒーリングが効いたということでしょうか、本当にヒーリングが出来たのでしょうか?とりあえず彼女達が無事に旅を終えられたことは喜ばしいことでした。
私はヒョンなことからヒーラーの弟子になりましたがヒーラーを生業にする気はありません、美しい建物を建てるために未来を視る方法やあの世の仕組み、あの世の地図を知りたいと思っていました。
未来やあの世にある知恵やテクノロジーがこの世を美しくしたり素敵に進化させて行くだろうと思っていました。
歴史上の価値ある進化や発見、創造は3次元的考え方や努力で創られたものではなく、イマジネーションやインスピレーションから始まっています、自分でもそれが見えるようになれば美しい建物ができるはずです。
この世にいて正しいイマジネーションやインスピレーションを受け取る方法を知りたいと、そのころは真剣にそう考えて学ぼうとしていました。
ヒーラーやあの世のトラベラーができるようになって来たのは学びと実践ができてきたようです。
そして恐ろしいほどの偶然が重なるのも学びによるものでしょうか、まるで魔法のような2週間でした。
その日、ガールフレンドとエアポートへ向かっていました、パリから帰って5日後に天領のヒーラー先生がイギリスから帰国するので、ロンドンでお世話になったお礼を言いに行きました。
国際線の出口で待っているとヒラー先生がやって来ました。
「先生ロンドンではありがとうございました」
「あっ、あなただったのか、なるほどなあ、これっ」
と言って小さな袋を私の手の上に載せました。
「えっ、何ですか」
「この旅行中にこれをヒーラーに渡してくださいと神様に言われていました。誰のことだろうとずっと思っていましたがあなたでしたか、どうぞ」
と言うと
「私は急ぎますので、またね」
と言って急いで行ってしまいました。
袋の中には手首に付ける緑色の玉石のブレスレットが入っていました。
「神様からヒーラーの認定証をもらったようね、よかったじゃん」
「えっ、そうかなあ、私のなりたいのは建築家なんだけどなあ」
「八ヶ岳の先生にもう建築家よと言われたじゃない、建築家で大学の先生でヒーラーだなんて他に誰もいないよ」
「まあ、そうだけどね」
「ずーっと私のヒーラーでいてね」
「えっ」
神様は運命が導く方向へ、魔法のような偶然と偶然を重ねて現実化させようとしているみたい。
あの世とこの世が一つになろうとしている気がします。
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