餃子を食べに行っただけなのに、飲食の未来やモノづくりについて考えて帰ってきた
どうもnorippyです。人って面白いですね。当分できないと分かると、それをやりたくなるんです。特に私の場合はグルメ。そのお店に行かないと食べれないとなると、行けるチャンスがあるなら、なんとしても行こうとなり、いろんな場所に行きました。
その中に以前"月曜から夜ふかし"で放送されてから気になっていた
という餃子のお店があります。1週間前にこの餃子屋さんに行ってきたので、その時に感じた事を書きます。
餃子はもちろん美味しかったのですが、餃子を食べつつ営業している様子を見ていたら、色々学ぶことがありました。
普通の餃子屋と何か違うの?
このお店は餃子専門店。焼き餃子、水餃子、唐揚げ、そしてライスが提供されています。そう、餃子屋さんなんです。
でもこのお店には他のお店には無いエンジニアにとっては気になる要素があります。
それは独自に開発されたシステムを使い、注文〜提供〜決済をおこなっているということです。
この餃子屋さんはお店で必要な設備の設計を店主が自ら行い、開発した装置を使って営業しています。
入口にあった消毒液スタンド、これも明らかにオリジナル。買えば済むようなモノもわざわざ設計して作っている訳です。いい意味で変態です。もう入り口からワクワクが止まりません。さすが機械の神様!
餃子を注文しよう
入るとそこには普通のお店では見ることのないような機械がカウンターの上にある事に気づきます。
MiSUMi だ!
機械系の方なら間違いなくお世話になったあの会社の製品が使われた装置があります。
そして目の前にボタンがあり
からあげ
餃子
水餃子
と書かれています。これで料理を注文します。
もちろんこれを見て注文がすぐできるわけもないため、店員さんがボタン押したら良いよと教えてくれますし、餃子を食べる標準書もテーブルに置いてあります。
標準書って…ここは工場ですか?笑
下の方を見ると標準書の改訂内容が書かれており、かつ承認済みであることがわかるようになっています。
私たちは工場の作業員となり、餃子を注文しろということです。とてもユーモアがあり且つ工場では手順書が作られ、それを見て作業をするんだよという事を学ぶことができます。
餃子の食べ方もわかったので、いよいよ餃子を注文。
最初に唐揚げと餃子を頼みました。同じものでなければ注文できるようです。注文がされたかどうかはスイッチが光る事でわかります。頼んだものが届くとLEDがオフになるので、いつでも自分が頼んだものが何かわかるようになっています。
ボタンを押してから待つ事数分。餃子が運ばれてきました。
この様子は下の動画をご覧ください。
「いってきま〜す」という声と共にベルトコンベアが動き出し、「たいへん長らくお待たせしました〜」というアナウンスと共に目の前で餃子の皿が止まります。止まったら、自分でアクリル板を動かす滑車の紐を引っ張ります。これでアクリル板が上がり、餃子が取れるようになります。滑車も動滑車になっており、結構軽く持ち上がります。これもコロナ対応で新たに追加したモノのようです。
ちなみにカウンター席によって仕様が違っており、焼き台の前の3席はベルトコンベアで運ぶのではなく、餃子を焼き台からカウンターに移動させる動作を見ることができます。(手で置いた方が早・・・)
席によって体験が違うと、また来たくなりますよね。
餃子が届いたらあとは美味しく頂くのみ!
唐揚げも、餃子もどちらも美味しいです。餃子は少し小ぶりですが、お肉が多めで何個でも食べれるおいしさがありました。餃子がなくなりそうになったら、またボタンを押して、焼きたての美味しい餃子が届くのを待ち、届いたら食べるを繰り返します。私は唐揚げ1皿、餃子3皿頼みました。
食べ過ぎです。
余談ですが、他にもエアーコンプレッサーを使って空き缶をしっかり潰す装置が置かれています。装置の横に空き缶が入った袋があるので、これは飲食関係なく暇つぶしにやってくれということなのでしょうか?行った際に聞いてきて欲しいです。
体験して感じたモノづくりの素晴らしさ
まず私はどんな仕事でも改善をして効率を良くすることが求められていると考えています。そうすることで利益を増やすことができるし、商品を買ってくれたお客様に迷惑をかけない事にもつながるからです。そしてこの考えをコアにモノづくりをしてきました。
最近有名チェーンの飲食店に行くと、タブレットで商品を選択し、個数を選択して注文することが多くなってきました。また配膳もロボットが行うようなお店も出てきました。こういった変化に対して「寂しい」とか「温もりがない」という考え方の方もいらっしゃるかと思いますが、私はポジティブに捉えております。注文ミスの削減、配膳先のミスが減ることで、客として行った時に不快になる機会が減りましたし、会社としてはホールスタッフの注文、配膳の工数を減らす事でより魅力的なサービス提供に工数を割いたり、低価格化に貢献しているからです。
機械の神様が作った餃子研究所ちゃぶちゃぶも同じで、飲食店にモノづくりを持ち込み、餃子の注文、配膳システムを構築したことで、餃子提供の負荷が最適化がされ、お客さんに還元されています。この時代に餃子7個で380円は安くないですか?唐揚げも6個で380円。絶対安いですよね。
また餃子を焼く店主さんは、焼き台からほぼ動きません。注文も確認できる端末を焼き台付近に置いており、それを見て注文通りに調理し、ベルトコンベアに料理を乗せて、ボタンを押せば自動的に頼んだお客さんの目の前に送られてくるようにしているようです。
店主さんは高齢です。このシステムがなければこの餃子屋さんは成り立っていないかもしれません。
実は私の実家は喫茶店で、私が社会人になると同時に営業時間を3時間短くしました。また美味しいという事で地元企業さんからお弁当を作って欲しいとお願いされることもあるようですが、配達が大変なため、需要があるのは判っているものの断っているという話も聞きました。
年齢が上がるにつれ体力がなくなり出来なくなる、そんな状況を変えるために自動化は重要なんだなと気づくことができました。
この自動化を実現するために必要なのはモノづくりをする力。小さなお店だからこそ、個々の提供したいサービスに合わせてシステムを構築することで、大きな恩恵を受けることができ、初期投資を回収できるほど長く収益を得ることができる可能性があるなと思いました。飲食店と組んで最適な注文、配膳システムを設計、開発する事業・・・儲かるかもしれません!
このお店の未来に期待
ちゃぶちゃぶに行って思ったのは、店主が楽できるようなシステムにはなっているが、店員さんはあまり楽できないシステムだったということ笑
かわいそうだから改善してあげて欲しいと思いました。
例えば「ごはん・スープ」は口頭で注文。食べ放題なので基本的に空の茶碗を渡すだけなのですが、なぜご飯とスープはボタンがないんだろうか?と思いました。もちろんベルトコンベアを使わず、店員さんが手渡し。餃子と一緒にやっぱりご飯食べるじゃないですか。宇都宮みんみんもご飯ありますよね。まさしはないですけど・・・。
このように店員さんが手渡しをする場面があるので、ここに改善の余地を感じました。モノづくりが好きな店主なので改善してくれるはず!
また行きたい!そんな餃子屋さん
赴任から帰ってきたら、また行きたいですね。あの餃子をまた食べたいというだけではなく、ビジネスとしてどうなっていくのかという視点でも改めて訪れてみたいと思いました。特に"餃子を食べる標準書"がどのように更新されているか楽しみです。
こんな珍しい飲食店は他にありません。鈴鹿サーキットでレースを見た後にぜひ寄ってみることをお勧めします!
ちなみに、行かれる方は事前にインスタグラムを確認をしてから行ってください!インスタで営業日など最新の情報が確認できます。
私はインスタを見ずHPだけを見ていったら、その日はお休みでリベンジということがありましたので、同じ悲しい思いをしなくて済むよう、ぜひ確認してください!
https://www.instagram.com/gyozalabo_chabu2/