片付けができるようになればよりカンペキな存在になるのに
夫は片付けができない。
いつか使うかもと、ものを捨てられない。
放っておくと、あと2cmほどで飲み終わるような飲みかけのペットボトルが2~3本テーブルの上にたまる。
床にものを置かないで欲しいと再三伝えているのに、趣味のギターやらエフェクターが床に並べられている。
洗濯後の衣類は私が畳むから、片付けは自分が都合良いようにしてね、と分担している。それにも関わらず、畳まれた服たちはソファーの上に山積みになっている。
そのくせ物欲オバケなので、制止しないとどんどんものが増えていく。
5年目に突入した2人暮らしの1LDKは、モノであふれかえり、もう他人を招き入れられる状態ではない。片付けたり一時避難させておく場所がない。どうにかしたいけど、どうにかする気力もない。
夫と私は、善悪の判断や一般的な社会人としてのマナーみたいな、生きていく上での価値観は合っていると思う。
私の悲観的で考えすぎるところと、夫のおおらかで楽観的なところ。お互いに足りない部分を補い合って生活していることを強く感じる。
現状の私の好きも嫌いも悩みも、全てを知っていると言っても過言では無い彼は、夫であり、家族であり、親友のような存在かもしれない。
とても相性がいいし、この人と一緒になってよかったなあと思うことが最近増えてきた。
全部を割愛した上で
「夫くんは、お片付けができさえすれば、私にとってカンペキになるのになあ。」
と、何気なく言葉にして伝えてみた。
そしたら腕をガッと掴んでぶんぶん振ってきた。
「なにそれ、めちゃくちゃ嬉しいんだけど。片付けくらいやるよ!!!」
想像以上に喜んでくれて、なんだか私もうれしい。
直接気持ちを伝えるのが苦手な私は、あんまり好きとか言ってこなかった。だけど苦手なら苦手なりに、もっと別の言葉を使ったりして、大切だってことを口にしていった方がいいのかもしれない。
ただ服の山はそのまま。片付ける気配はなさそうだ。
分かってる。人は簡単には変われない。
オワリ