スズキの社長表彰を真似よう!
【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「スズキの社長表彰を真似よう」をお伝えします。
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1.スズキの社長表彰
日本経済新聞のネットニュースで、「スズキ、知財強化へ社内発明者を顕彰 社長らと座談会も」とありました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80376220Q4A430C2L61000/
(上記URLの記事は一部のみ閲覧可能)
スズキとは自動車のスイフトスポーツや、自動二輪のハヤブサなどで有名なスズキ株式会社です。
記事によりますと、2023年から特許出願や特許査定に対する報奨金の額を引き上げて、社長表彰された従業員と鈴木社長や役員らと座談会を行ったそうです。
2.社長表彰の効果
報奨金を含む社長表彰の効果として、最も高いのが従業員の士気向上だと思います。
社長表彰された人は嬉しくて、次も頑張るぞと思うことでしょう。
多少プレッシャーのかかる言い方というか意地悪な言い方をすれば、次で自分の評価を落とすわけにはいかない、もっと良い仕事をしようと考えるのではないでしょうか。
表彰された人だけでなく、その周囲の人も今度は自分が頑張ろうと考えると思います。
結果として会社も良い方向に向かうのではないでしょうか。
3.中小企業ならではの問題
上記のスズキの場合は大企業の技術部門での話です。
所属している人もそれなりに優秀で、向上心もあって多少のことにはめげないと思います。
しかし、中小企業では優秀な人ばかり集まるとは限りません。
何をもって優秀というのかの定義にもよりますが、学力に限っていうと中小企業には学力が劣る人が集まりやすいです。
特に、3K職場といわれるところにはそういった傾向があるようです。
弊所顧客の社長の話だと、ウチには通知表の成績が1か2の人しかこないとか。
私の知り合いの社長がいうには、材料の指示を出しても全然言うとおりにしないので、不思議になって聞いてみたら百分率がわからないとか。
こんな感じです。
私見ですが、中小企業の場合、一部には優秀な人がいるのですが、全体としてみた場合はそうではないことが多いということです。
そういった状況において、特定の人ばかりが褒められると、個人プレーのようになってしまいます。
結果として、妬みなどが生じて組織としての運営が上手くいかなくなる可能性が出てきます。
そのようなことを防止するために、チームとしての活動を推奨します。
特定の部署ごとに数名のチームを作ってもらうのが良いと思います。
4.坂岡が経験した話
以下、私が経験した話です。
サラリーマンとして、とある企業に中途入社して勤務していたときのことです。
その会社では、正社員は日常業務をこなしながら成果を出すことが求められていました。
隣の部署の上司に「手柄を立てないとダメだよ」みたいなことを言われたことがあります。
同じ部署の先輩に何をしているのかを聞いたら、「内緒」と言われたこともあります。
当時、私の能力が足らなかったのが原因ですが、成果も出せず、最低の評価しかもらえませんでした。
在籍期間の後半は異動になり、製造設備の立上げから携わって、人並みに仕事ができるようになりました。
しかし、やはり個人での「成果」を求められるため、多少のプレッシャーはありました。
そんなとき、ふとしたことから現場でチームプレイが生まれたのです。
当時、私は3交代勤務でして、製造現場に正社員(私)が1名、派遣社員が3名くらい居たと記憶しています。
つまり、現場の正社員は早番、遅番、夜勤の3名が居るのです。
そんな状況の中、先輩社員の主導で始まったのですが、現場の正社員3名が協力して課題解決をするようになったのです。
現場の課題というか目標はだいたい内容が決まっていて、「上期で○○不良を何パーセント削減させる」とか「○○のトラブルを根絶させる」とかです。
やることはおよそ決まっているのです。
それを、早番、遅番、夜勤の3名が別々にやっていると効率が悪いですよね 笑
通常の業務として物流管理、定期的なチェックシートの記入、前後工程との調整、トラブル対応、日報提出などもしなければいけないので、時間もあまりありません。
そんなときに早番、遅番、夜勤の3名がチームとして活動し始めたので、改善活動がスムーズに進むようになりました。
週1回、生産設備や品質管理などの他の部署と合同で行うミーティングでは、早番の者が代表して報告するようになり、組織としても上手くいっていたと思います。
精神的にもかなり楽です。
5.中小企業では
中小企業でも何らかの改善をするときには、通常の業務をしながらしなければいけません。
そんな状態でも、チームで活動すると、三人寄れば文殊の知恵ではないですが、良いアイデアが出てくることが多いと思いますし、改善の速度も上がります。
あまり人数が多すぎても意思の統一ができないので、数名規模がよいのではないでしょうか。
また、チームで活動すると、成果が出ても出なくても次回は頑張ろうといった気持ちになりやすいです。
勿論、上司も上手く行っていないチームにも気をかけて、フォローしていくことが必要です。
上記のスズキでは特許についての表彰ですが、中小企業ではいきなり特許というとハードルが高いと思います。
特許に限らず何かしら効果があるものであれば、活動してもらって表彰の対象にすることをお勧めします。
社内表彰で、従業員に気持ちよく働いてもらえるとよいですね。
この記事が御社の発展に寄与することを願っております。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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