革新的な商品か否を見極めよう
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弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「革新的な商品か否かを見極めるには」について説明します。
前回の記事「革新的な業界では初期の特許出願件数がものをいう」https://note.com/norio_sakaoka/n/n6027044289c9で、革新的な商品では速やかに特許出願することが重要という話をしました。
では、新たに作った商品(サービス)が革新的であるか否かはどうやって判断すれば良いのでしょうか?
ここでは2つの視点から見てみましょう。
1つ目は、その商品の市場があるかどうかです。
いくら革新的な商品を作っても、市場がなければ売れません。
いわゆる自己満足の世界で終わってしまいます。
この市場があるかどうかを見るには、やっぱりリサーチをするしかありません。
リサーチ専門の会社もあると思うのですが、おそらくかなり高価です。
大企業ならともかく、中小企業や個人事業主では、最初は自分で調べる方が良さそうです。
ではどうやってリサーチするのかですが、自分の商品と共通する項目でみる方法があると思います。
例えばですが、
同じ効果がある他社商品、又は類似の他社商品があるのか?
あるとしたらどれくらいの種類があるのか?
その他社製品は売れているのか?
その上で、
他社製品を使っているユーザーの不満は何なのか?
他社製品を違う切り口で見るとどういった使い方ができるのか?
といったことも検討するとよいと思います。
もし、ここで同じ効果がある他社商品又は類似の他社商品が存在しなければ、その商品は市場がない可能性があります。
2つ目は、特許の先行技術調査をしてみることです(ここでも調査ですね 笑)。
いわゆるアイデア商品的なものは、世の中には存在していなくとも、過去の出願に多数掲載されていたりします。
例えば、台所用品や掃除道具とかの分野ですと、これでもかと似たような出願が出てきます。
しかし、現実にこれらの商品をお店で見ることはありません。
つまり、発明者は凄い商品と思っているけれど、実はその商品の市場がなくて、結局は発明者の自己満足で終わっているパターンです。
もし、上記の2つの調査を行なって、世の中には類似商品がなく、特許文献にはあるといった場合、その商品については市場自体が存在しない可能性が高くなってきます。
つまり、商品化しても全然売れない可能性が高いということです。
但し、あなたの商品が、過去の商品の問題点を解決したとか、違う切り口で見ているとかだと話は別です。
例えば、これまで商品そのものが大きくて、据置型でしか存在しなかったものを携帯型にしたとかです。
また、スリーエムのポストイットは、くっつかない接着剤という当初は訳の分からない失敗作から誕生して大ヒットしました。
あと、その商品がヒットするか否かの一つの指標として、そこに情熱があるかということです。
例えば、女性が美しくなりたいとか、男性が高級車に乗りたいとか、子供を良い学校に行ってもらいたいとかは、全て情熱があります。
もし、あなたが開発した商品が革新的で、市場がきちんとあって、かつその市場に情熱があればヒットする可能性は高くなるのではないでしょうか。
もっとも、これらの調査は本来、商品を開発する前にするものであるのをお忘れなく 笑
いかがでしょうか、本記事についてご理解いただけたでしょうか。
この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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