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良い商標(売上げに貢献する商標)を付けよう
【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「良い商標(売上げに貢献する商標)を付けよう」について説明します。
過去の記事でも商標によって売上が向上したということを書きました。
それだけ商標というのは事業をする上で大事なモノなのです。
では、良い商標はどうやって付けたら良いのか、それを私なりに説明します。
1.何の商売なのかわかること
これはけっこう重要ではないかと思います。
例えば、屋号を聞いてもそれが何屋さんなのかサッパリわからなければ、もうそれだけでハンデを背負っているようなものです。
何屋さんなのかわからない屋号を使用するくらいなら、商標権は取得できないけれど、ごく一般的な名称でも良いのではないかと思います。
例えば、弊所は「坂岡特許事務所」ですが、「ぱぴぺ事務所」みたいな訳のわからん屋号を付けるよりは前者の方が良さそうです(「ぱぴぺ事務所」なるものが実在していたらゴメンナサイ)。
但し、広告宣伝費をたくさん使えるなら、一度聞いたら忘れないような奇抜な屋号を付して、事業を展開するのもアリだと思います。
私が最近耳にした例では、食パン屋さんの屋号に「あらやだ奥さん」というのがありまして、まだ行ったことはないですが、これは一度聞いたら忘れないですね。
2.商品や役務の特徴を上手く表現していること
これも、過去の記事で暗示的商標ということで説明していますが、基本的に商品の品質等をそのまま表す商標は登録されません。
しかし、何となくその商品の品質等を暗示させる程度であれば登録の可能性はあります。
こういった商標は得てして良い商標になる傾向があります。
例えば「通勤快足」なんかが良い例です。
あと、業種によっては商標の頭に「ドクター」とか「プロ」とかを付すと、いかにも専門的みたいな感じがしますね。
3.読みやすい長さであること
これは聞いた話ですが、日本人なら3~4文字が読みやすく、発音しやすいようです。
とはいっても、3文字の商標はけっこう登録されていますので、新たに商標権を取得するのは難しい場合がありそうです。
そんなときは4~6文字くらいで検討してみても良いでしょう。
このとき、商標を4文字以上にするときは、第1節と第2節に分けて表現すると読みやすく発音しやすい商標になることが多いようです。
また、自社の商標が長ったらしい場合は、省略形を検討しても良いでしょう。
例えば、リクルートナビゲーション(多分)をリクナビ、ヤフーオークションをヤフオク等です。
この様な場合、省略する前と後の2つの商標登録出願をすることが好ましいですが、需要者が喜んで使用してくれて、それで売上が向上するなら安いモノです。
4.語呂が良いこと
この語呂が良いことも大事です。
言いやすい、発音しやすい文字列でないと需要者は敬遠してしまいます。
商標を決めるときは、実際に何度も発音してみて、語呂が良いかどうかを確認されることをお勧めします。
この語呂が良いことについて、第1節と第2節の母音が共通すると良いと思います。
ここで、第1節の始めと第2節の始めの母音が共通する、又は第1節の終わりと第2節の終わりの母音が共通することが大事です。
例えば、コカ/コーラは(「/」は筆者記入、以下同様。)、第1節の始めの母音が「お」で、第2節の始めの母音も「お」で共通しています。
さらに第1節の終わりの母音は「あ」で、第2節の終わりの母音も「あ」で共通しています。
あと、弊所の顧客で「クリ/スタ」という商標を持っている企業がありますが、ここでも第1節の始めの母音が「う」で、第2節の始めの母音も「う」で共通しています。
また、「絹乃/しらべ」という商標もありますが、こちらも第1節の始めの母音が「い」で、第2節の始めの母音も「い」となっております。
こういった商標は、語呂が良くて発音もしやすいですね。
他にも良い商標の条件はあると思いますが、主なところはこんな感じです。
新たな商品やサービスを始めるときは、是非良い商標を付して、売上げに貢献させるようにしてください。
いかがでしょうか、良い商標についてご理解いただけたでしょうか。
この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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