世界はこうしてできている 美しい物理のしくみ (川村 康文)
(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)
いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。
私は高校時代「文系」だったので、「物理」についての素養は今から50年近く前の中学校理科のレベルです。そういう背景もあり、こういった “科学の入門書” には大いに興味をいだきます。
本書は、
PART1 美しい自然現象の物理のしくみ
PART2 美しい人工物の物理のしくみ
に分かれていて、
夕焼けはなぜ赤いのか
ナイアガラの滝のエネルギーはどれほど凄いのか
美しい雪の結晶ができるしくみとは
クレーターができるほどの隕石の衝撃とは
地球はなぜ回っているのか
太陽からは、何が降り注いでいるのか
気球はなぜ空に浮かぶ
ラップフィルムには「ファンデルワールス力」がはたらく
「落ち続ける」宇宙ステーションのしくみ 等々
といった身近に感じられるような項目が取り上げられています。
写真と図解が豊富で、説明もこれ以上は無理だろうというほど簡潔です。事象のエッセンスである物理現象の「単語」が紹介されているだけと言ってもいいような内容ですから、本書に何を求めるかをはっきりさせて手に取ることが肝要でしょう。
その点でいえば、身の回りの事象を観察して、疑問を持ち、その原因を知りたくて “科学” に関心を抱いた「こどもたち」であれば、その “超入門書” としては手頃かもしれません。
昔流にいえば、小学生中高学年のこどもが、夏休みの読書でちょっと読んでみるといったノリでしょうか。