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三教指帰 (弘法大師)

 先に諸橋轍次氏の「孔子・老子・釈迦『三聖会談』」という本を読んだのですが、その本での「三聖人が一堂に会しての鼎談」という設定は、弘法大師の著作の影響ではないかとのコメントを見ました。
 そこで、その「三教指帰(弘法大師)」を読んでみたのですが、これは私にはすこぶる難物でした。

 この著作は、真言宗の開祖弘法大師(空海)が24歳の作で、彼の出家宣言書と言われているそうです。三教すなわち儒教・道教・仏教の思想を三人の登場人物に語らせ、仏教の優越性を論じたものです。

 翻訳ではなく書き下し文なのですが、そもそも古文・漢文の知識がないうえに、話の中に中国古典や仏教典等の知識を前提としたフレーズや喩えが多く、(弘法大師の博学多識には心底驚かされますが、)正直、内容はほとんど理解できませんでした。
(語句の注釈は豊富についているのですが、そもそも1935年初版の本なので、注釈自体の理解にも苦労する有様です)

 当時はこの程度の経典・古典の知識は常識だったのでしょうか。
 やはり本を選ぶにも、余りに身の丈にあわないものはやめることにしましょう。


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