自分の答えのつくりかた―INDEPENDENT MIND (渡辺 健介)
渡辺健介氏の本は、以前「世界一やさしい問題解決の授業」を読んだことがあります。
本書は、同じようなコンセプトの第2弾です。
構成は3章からなっていて、それぞれ「日常生活における個人の問題解決を学ぶ」「意思決定の礎となる人間的な土台を作る」「いかに集団の問題解決を行っていくかを学ぶ」ことをテーマとしています。
中高生でも読みやすいストーリー仕立てになっているのは前著と同じです。
ロジカル・シンキングという観点からは、「ピラミッド・ストラクチャー」を中心に据えたオーソドックスな内容で、その説明の中では、
といった超基本的な事項にも言及しています。
その他にも、大事なアドバイスとして「たたみ込む力」と名付けた徹底的な行動の勧め。
また、多様な価値観のなかでの自分の作り方のポイント。
こういった様々なアドバイスを通じて、著者は、粘り強く事実を集め、それを多様な判断軸から評価し、自分自身の意見を自分の頭で論理的に考えきるという姿勢の重要性を繰り返し訴えています。
中高生の読者を想定した本書の主張の中で、私が特に首肯できた点は、「他者との関わりを通した自己の成長」を求めているところです。
「論理的思考」に没入していくと、しばしば頭でっかちの「個人的志向」に陥るおそれが出てきます。
他者の叡智を取り込むことにより、さらに高次の「集団としての論理的思考」に止揚できるということです。
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