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スタートアップスタジオ式 リーンキャンパスの書き方 後編:⑤〜⑧
こんちわ、@norinux です。
スタートアップスタジオでは、新しい事業アイデアを考えてきてもらうときに、よく使うリーンキャンバスの解説 前編 の続きを説明する。
⑤チャネル
ここでのポイントは「ユーザーを獲得するための手段を明確にする」である。
よくあるケースは、「広告」とか書いてしまうケースがあるが、それでは解像度が低すぎて何も伝わらない
例えば、「SNS広告」ってだけでも、SNSも何種類も存在するので仮説になっていない。想像できる範囲でもよいので、具体的にユーザーを得るための手段を仮説として書こう。
NG:SNS広告
OK:トリドリマーケティングを利用し、各種SNSやインフルエンサーにPRしてもらい流入量が多いSNSやインフルエンサーのセグメントに絞っていく
さぁ、ユーザーを集めるぞっと思った時にすぐに行動に移せるような仮説を立てているのかが重要である。
⑥収益の流れ
単純な料金設定ではなくて「どのように、お金を得ることができるのかを明確にする」がポイント
どんな課金方法だったらユーザーが払うのかと、どのような課金の種類があるのかまで解像度を高めて記載し、市場規模(SOM)を計算状態にしておくのが理想
NG:サブスク 500円
OK:基本無料 + 5人以上の調整機能 500円/月 + 法人プラン 29,800円/月、想定規模 無料ユーザー 10万人 個人 1万人 法人 6,000社、年間売上 21億程度
可能であればフェルミ推定でもよいので、5年後くらいを目処に成長した先に想定している年間売上も記載してあると良い。
⑦主要指標
ここでのポイントは「このサービスを伸ばすためには、何が重要なのかを明確にする」である。
ユーザ数が増えれば売上が伸びますという単純な指標ではなくて、独自の価値を中心にユーザーの行動データと、事業が伸びる数値と関連性のある指標を設定するのが理想。
NG:ユーザー数、無料登録数、課金数
OK:無料登録ユーザーの満足度と課金率
⑧コスト構造
「このサービスを継続するためにいくら必要なのか」がここでのポイントだ。
いざ、事業をはじめようと動いたとして、どのくらいの資金があれば良いのか把握せずに、あとから資金がない(なくなった)となれば地獄だ。
NG:サーバー費用 20万
OK:初年度 1,250万(無料ユーザー獲得広告費 500円 x 1000人 = 500,000円、開発体制とサーバー費用 エンジニア 30万 x 2 + サーバー10万
役員報酬 30万)
むしろ、ここのコスト構造が明確になっていれば最初の資金がどれだけ必要で、自己資金なのか、デット、エクイティなのか、資金調達の方法も検討する土台となる。
最後に
⑤〜⑨については、前編の①課題〜④ソリューションが、魅力的且つ説得力のある内容でなければ意味がない。はたまた、①課題〜④ソリューションが魅力的でも、⑤以降が明確になっていなければ事業化なんて到底無理だ。
逆にいえば、リーンキャンバスの各項目がしっかり整っていて魅力的であれば、そのままその内容をピッチのデッキに落とし込んで協力者や出資者をつのることもできるという魔法のツールである。
ぜひ、リーンキャンバスを何枚も何十枚も書いて、良い事業アイデアを生み出してほしい。そして、良いアイデアがでたらぜひカジュアルに、スタートアップスタジオに相談に来てくれるのを待ってます。
じゃ!