コロナパンデミックに潜む世界の闇②
2020年、世界中に恐怖を撒き散らした新型コロナウイルスSARS-CoV-2によるパンデミック。
SARS-CoV-2はどこからやってきたのか?なぜパンデミックは起きてしまったのか?なぜ驚異的なスピードで変異体が生まれ続けたのか?調べれば調べるほど不可解な状況証拠ばかりが見つかる。
これは、新型コロナに関わる出来事を時系列で整理するものである。先入観を捨て去り、虚心坦懐に事実だけを見つめ直せば、テレビが決して伝えない世界の闇が見えてくるだろう。
(前回の内容)
1.オバマ政権と武漢ウイルス研究所
2014年10月17日、米国民主党オバマ大統領は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)において感染力の強い危険な病原体の処理を誤るという重大な事故が相次いだことを受けて、「アメリカ国内でのウイルスに関する研究を禁止する方針」を打ち出した。
その直後、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)で行われていたウイルス研究は、武漢ウイルス研究所に外部委託されることとなり、同研究所には370万ドルの資金が提供されることとなった。
2.アンソニー・ファウチ と エコ・ヘルス・アライアンス
オバマ民主党政権下で、アメリカから武漢ウイルス研究所への外部委託研究を主導したのは、NIH傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID:National Institute of Allergy and Infectious Diseases)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長である。
ファウチは1984年~2022年の38年間にも渡り「NIAID所長」として君臨し、すでに2014年時点でアメリカの「感染症対策の権威」となっていた。
ファウチ率いるNIAIDからの外部委託研究(=グラント研究資金)の受取先となったのは、感染症研究で実績のあったニューヨークの非営利団体であるエコ・ヘルス・アライアンス(Eco Health Alliance)である。
このグラント研究は、2014年から2019年の5年間で、その研究テーマは「Understanding the risk of bat coronavirus emergence(コウモリ由来コロナウイルスの出現リスクの解明)」であり、助成金額は370万ドル。
そのうち約60万ドルが「コウモリの遺伝子解析のための設備投資費用」として武漢ウイルス研究所に渡ったことが判明している。
同グラント研究は、さらに2019年に5年間の期間延長、370万ドルの追加資金提供が決定したが、COVID-19騒動の直後、トランプ政権下の2020年4月24日に突如として「打ち切り」となった。
そして4月30日、トランプ大統領は記者会見の場で「中国武漢の研究所が新型コロナウイルスの発生源となった可能性を確信している」と述べ、証拠を見たのかとの記者の質問には「見た」と答えたものの、「話すことはできないし、話すことは許されていない」と語っている。
さらに2020年5月14日、トランプ大統領はFOXニュースのインタビューにおいて武漢ウイルス研究所への資金提供に言及し「オバマ・バイデンは腐敗していた。オバマ政権は2014年に何百万ドルも資金を提供した。私はそれを止めた」と語っていた。
3.ピーター・ダザック と 石正麗
2017年にはアメリカ国防総省(DOD)が、エコ・ヘルス・アライアンスの「understanding the risk of bat-borne zoonotic disease emergence in Western Asia(西アジアにおけるコウモリ由来の人獣共通感染症の出現リスクに関する研究)」に対して650万ドルを提供している。そのうち武漢ウイルス研究所には約150万ドル以上が渡っている。
主任研究者はピーター・ダザック(Peter Daszak)である。彼はエコ・ヘルス・アライアンスの代表者であり、コロナウイルス研究者である。
ダザックは、武漢ウイルス研究所と共同で野生コウモリ由来のコロナウイルスの遺伝子情報を収集して研究を進めた。武漢ウイルス研究所の石正麗(Shi Zheng-Li)とも10年以上に及ぶ付き合いがあり、20本以上の論文を共同で執筆している。
ダザックと石正麗は、2017年11月30日に発表した「Discovery of a rich gene pool of bat SARS-related coronaviruses provides new insights into the origin of SARS coronavirus」という、ヒトに感染する可能性を持つ新たなコロナウイルスを新たに創り出した(=機能獲得研究を行った)ことを示す論文にも共に名を連ねている。
4.ピーター・ダザック と WHO調査チーム
パンデミック発生直後の2020年3月7日、ダザックは、仲間の研究者と共に、国際医学誌ランセット(The Lancet)に声明を発表し、新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から流出したという説は 根拠のない 陰謀論 にすぎない、と強く主張した。
2021年1月、世界保健機関(WHO:World Health Organization)は、新型コロナウイルスの発生源を調査するチームを中国武漢に派遣した。
WHOは、調査チームのメンバー決定権を中国政府側に与えていたため、アメリカが推薦した科学者はただ1人を除き、すべて拒絶された。唯一中国に受け入れを許可されたアメリカ人の科学者がダザックである。
2週間に渡る調査の結果、WHO調査チームは「新型コロナは動物から中間宿主を介してヒトに感染した可能性が最も高く、武漢ウィルス研究所から流出した可能性は最も低い」という内容の報告書を発表した。
また、ダザックは「(中国側の協力により)調査は希望どおり自由に行うことができたとする一方、政治的プレッシャーを感じた」と答えている。
5.武漢ウイルス研究所流出説の再燃
2021年5月26日、民主党バイデン大統領がCIAなど諜報機関に対して、「ウイルスの発生起源を改めて調査せよ」と指示したことを受けて、武漢ウイルス研究所からの流出説が再び有力視され始めた。
2021年6月7日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所が2020年5月27日付で作成した機密報告書のなかで「新型コロナウイルスが中国の武漢ウイルス研究所から流出したとする仮説は妥当だと判断し、さらなる調査が実施されるべきだと結論付けていた」と報じた。
また、ネットメディアのバズフィード社は、情報自由法に基づき情報公開請求で入手した、NIAID所長アンソニー・ファウチの3200通にもおよぶ電子メールを公表した。
そのメールの中でファウチは、2020年1月時点で他の専門家から「ウイルスが人為的に作られたと思われる奇妙な部分(=フリン切断部位)がある」という指摘を受けていたにも関わらず、それを無視して 自然発生説 を強く唱えていたことが判明している。
そしてダザックは、ファウチ宛に送信したメールで「あなたが公開の席で、研究所流出説を否定してくれたことを感謝する」と伝えており、それに対してファウチも 感謝の言葉 を返信していたことが判っている。
その後2021年6月、ダザックは、国連がスポンサーとなりランセットが創設していた「新型コロナウイルス起源に関する委員会(2020年7月9日発足)」のメンバーを解任された。解任理由は「自身が武漢ウイルス研究所の利害関係者であることを開示していなかったため」である。
③に続く