じいちゃんの魂
じいちゃんはいつも言っていた
「人間は死んだら何にも残らない、枯れ葉が落ちるように、それでおしまい」
魂の存在なんか信じてはいなかったんだろう
ところがじいちゃん亡くなって、葬式が終わり、
私たち家族が飛行機に乗って自分の家に戻る時
途中でガクンと飛行機が揺れた、大きく沈んだ
母と私は顔を見合わせ
「今のは絶対にじいちゃんだよね、オレをおいて行くなって…オレも一緒に行くって」
なぜだか二人で合点したイヤ三人で、父もいた
伯母家族とは一ミリたりとも一緒にいたくなかったんだ
やっぱりね、魂はあるんだよ
じいちゃんが教えてくれた
それからしばらくは何もなく過ぎていた
ある時、昼寝中
私の身体から魂が離れた
私は空高く舞い上がっていた
えぇ、どういうこと
はるか下には河が見える、家から少し離れたところを通っている河がキラキラキラキラ光っている
そしてその上の方からじいちゃんの声が聞こえた
「リオよ、リオ…それはちがうだろう」
私はリオじゃないよとその声に反発をした
でもじいちゃんの声はそれだけ言って消え失せた
私は必死に自分の身体に戻るとぐったりだった、魂だけの世界とつながるのはくたびれる
リオっていうのは従姉の名前
あとから従姉に伝えると、なんとなくわかったみたい
もうじいちゃん、何で私を使うのよ
じいちゃんはすでに、高い高い雲の上にいるのかな
それ以来、じいちゃんは現れない
でも人間の魂は永遠で
肉体が失くなっても生き続けている
そのことをじいちゃんは教えてくれたんだ
不思議、不思議な出来事だった
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