ステイアートII 解説
プロジェクトページLINK https://camp-fire.jp/projects/view/304814
デモLINK https://note.com/norindia/n/n1cc547dbbee1
当日撮影・GALLERY告知LINK https://note.com/norindia/n/n0c265d7647aa
ギャラリー展示LINK https://note.com/norindia/n/n63672092cfb6
株式会社ステイ・アート代表であり、キュレーターの役割でもある私の視点から今回のヒサノモトヒロ氏とのプロジェクトの解説をさせていただきます。
ステイアート基本コンセプト
「ステイアート」の原則ルールはただひとつ、「宿泊者はホテルに行かずに自身を託した分身である「アバター」とアーティストとの創作行為を介して宿泊体験を行う」です。それは作家と参加者との観念的・間接的な「交配行為」でもあります。
前回第一弾はそのパイロット版として、ベースコンセプトとしてのプロトタイプをアーティスト・トミナガタイシとともに試行錯誤しながらカタチにしていきました。LINK / 瀬戸内リトリート青凪プロジェクトのアーティストによる解説
https://twitter.com/tomi_taishi/status/1274915678881853441?s=21
今回のプロジェクトは若干前のめりながらも、その[発展応用バージョン]としての位置づけとなります。
今回はヒサノモトヒロの作品の文脈上、参加者の「遺留品」をアバターとして扱います。また、前回ではトミナガのドローイングによって補完された参加者(宿泊者)のアウラを今回はテーピングによって再現された参加者本人のシルエットによってダイレクトに彼のファインダーにおさめていきます。
「ステイアートII」は基本コンセプトを確立した前回に対し、ウルトラマンにおけるセブン、仮面ライダーにおけるアマゾンもしくはライダーマンのような特殊解的・変化球的位置づけと、とらえていただければと思います。
ホテルの死と追悼に残像を託す
前回の舞台である瀬戸内リトリート青凪が船出をしてわずか3年で世界に躍り出た「戦艦」であるのと対照的に、生まれて17年の時を経たホテル・クラスカは国内外のファンに愛されながらも今年12月で消滅(奇しくもプロジェクト当日から100日後に閉館)することを運命づけられたひとつの「漂流船」です。
それはコロナ禍が直接の原因ではないにしても、ホテルという、ひとつの構築された文化的世界が経済と社会の断絶の溝に飲み込まれていく、ある種の象徴的事変として語られるでしょう。
そこでおこなわれる「ステイアート」は単なる宿泊の愉悦の擬似体験に終わるのではなく、逃避と追悼、そして自身の残像を「100日後に消え去るホテル」すなわち「永遠に掘り起こされることのないタイムカプセル」に託す儀式がふさわしいと考えました。
いわば、【リモート宿泊と臨死・心中体験】のセットでしょうか
殺人現場ポートレートの文脈との合流
私とヒサノ氏との邂逅はSNSにはじまり、SNSにて終わるものです。
何度かタイムラインを開くたびに流れてくる彼の作品をキャッチしながら、少しずつ今回のコンセプトの輪郭が私の中でかたちづくられていきました。そして彼本人がSNS上で仕事を募集するアナウンスを出したのをきっかけに正式に「ステイ・アーティスト」としての役割を依頼することを思い立ちました。
彼の作品世界としてはあくまで「殺人現場ポートレート」シリーズの文脈でありながらも、今回ステイアートと合流(マリアージュ)を果たすことで、新たな次元へと昇華していく可能性を秘めています。
それでは、この「100日後に死ぬホテル」の共犯者、心中者、もしくは目撃者の一人として、新たな発見をしてみてください!
当日撮影・GALLERY告知LINK https://note.com/norindia/n/n0c265d7647aa