
【第67回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その6 鎌田順也『かたとき』
候補者について
鎌田順也[かまた・としや]
1984年生まれ。東京都北区出身。文化学院卒業。ナカゴー主宰、ほりぶん。劇作家、演出家。初の最終候補。

候補作について
昨年2月、ほりぶんの公演として紀伊國屋ホールにて上演。
■時代、場所
東京都北区堀船 夏祭りの夜とその翌日
■登場人物
片時 夏祭りで娘とよくはぐれるお母さん
片時いぶき 小学三年生の娘
横手 自警団のリーダー、バーミヤンの店員
先回千代子 自警団の副リーダー
伊座ひとみ 自警団のメンバー
和豊 自称・隣町の自警団
郡司康夫 警察官
権田藁かずみ 声の明るい女
糸田川 不審者その1・BB弾おじさん
十竹 不審者その2・仁丹を投げるおばちゃん
黒衣
■物語
夏祭りにやってきた片時と娘のいぶき。その町ではこのところ、不審者が現れるため、昼間はバーミヤンで働く横手がリーダーとなって自警団が結成されていた。警察官の郡司はそんな彼女たちに「餅は餅屋」と町の治安を守るのは警察に任せるように言うが、一向に聞き入れてもらえない。母親とはぐれてしまったいぶきに女性が声をかけるが、チップスターがいつも8枚割れているのはいぶきの母親になれというお告げだと意味不明なことを言い出す。
総評
この作品も実際の上演を鑑賞しているが(こちら)、これも金山寿甲さん『パチンコ(上)』同様、まさかまさかの最終候補入り。そのどちらにも川﨑麻里子さんが出演しているというね。
鎌田順也(としやと読むと今回初めて知った)さんの作品はいわゆるナンセンスコメディ。ナカゴーにしてもほりぶんにしても役者陣の演技も独特なので、戯曲単体としてどこまで評価されるかが受賞できるかどうかの分かれ目となりそう。とりあえず、この作品をご覧になっているKERAさんは好意的なツイートをされているけど(同じ回に根本宗子さんもご覧になっていた)、だからといって推すとは限らないしなぁ。
ほりぶん『かたとき』。毎公演欠かさず観ようと思っているのに結局かなり久々になってしまった。
— ケラリーノ・サンドロヴィッチ (@kerasand) February 27, 2022
猫背、又吉、きたろうの客演陣、プロデューサーに砂長氏、小屋は紀伊國屋ホール。それでもいつもと何も変わらなかった。変わらないとは思っていたが。鎌田くん達は全く信頼できる。笑わせてもらった。