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死を待つ人々の家〜マザーテレサ

今回は、マザー・テレサをテーマにした話です。

人生の悩みの多くは、「自分の思い通りの人生を生きたい」という欲望から始まります。

そのために人は努力し、悩むことが多いのです。

しかし、小林正観さんは悩みを克服する究極の方法として、「自分の思いを持たないこと」を提唱しました。これは、夢や希望を持たない生き方を指しています。

夢や希望を持たない人生はつまらないと感じるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

ここで、マザー・テレサのエピソードをご紹介します。

ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサは、生涯を貧困や病に苦しむ人々の救済に捧げました。

彼女は、道端に打ちひしがれ、死を待つしかない人々を受け入れる施設、「死を待つ人々の家」を設立しました。

ここで注目すべきは、マザー・テレサが彼ら全員を救おうという強い願いを持っていなかったのではないか、という点です。

もし、彼女が強い願望を持っていたならば、助けたいと思う気持ちと現実のギャップに苦しんでいたはずです。

なぜなら、当時の状況では、どれほど強く願っても全員を救うことは不可能だったでしょう。

そのため、マザー・テレサの真の目的は、助けることよりも、死を迎える人々が「人間として生まれてきてよかった」「本当に幸せだった」と思える瞬間を提供することだったのではないでしょうか。

私たちは、自分の人生を完全に思い通りにすることはできません。

しかし、幸せだと感じる心さえあれば、お金や地位がなくても幸福になることは可能です。

ですから、「強く願っても叶わないことが多い」と聞いても、落胆する必要はありません。

なぜなら、マザー・テレサのように、「人から喜ばれるように生きる」だけで十分だからです。

人間は誰かに喜ばれることで喜びを感じる存在です。

そのため、むしろ「思いを持たない生き方」の方が、より高い幸福感を得られ、楽な人生を歩むことができるかもしれません。

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