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スコットランド戦を終えて、あらためて宿沢さんと平尾さんを想う

1989年5月28日に宿沢ジャパンがスコットランドを撃破した試合を私は秩父宮で目撃していた。前年に東芝府中に勝って日本一になった(この試合も国立で見た)早稲田のスーパーSHの堀越選手がジャパン入りし、同じ熊谷・早稲田・SH出身の宿沢さんが監督になると共に、同年に神戸製鋼を初の日本一に導いた平尾選手がキャプテンをつとめた試合であった。試合結果はご存知の通りで、宿沢監督の綿密な戦略と選手のハードワークでジャパンは奇跡と呼ばれる勝利を手にした。スコットランドは2軍編成でコンディションもよくなかったが、それでもジャイアントキリングを成し遂げたジャパンに本当に興奮したのを昨日のことのようによく覚えている。もう今から30年も前の、平成が始まったばかりの頃の出来事だ。

時代は令和になり、自国開催のW杯でジャパンはそのスコットランドに勝利して一次リーグ全勝でベスト8入りを決めた。今回は紛れもなく真剣勝負のTier1に勝ったのだ。大学偏重の旧態依然としたアマチュア体質の日本ラグビー界に対し、エリート銀行員としての豊富な国際経験を生かした戦略思考と規律をもたらした宿沢さん、それを受け継いで積極的に外国籍の選手を登用を押し進めた平尾さん、その他大勢の志を共にするラグビー関係者の努力があって昨日の快挙がある。このツイートはサッカーで同じ苦労をし、同じようにW杯で日本代表をベスト16にまで導いた川淵さんだからこそ意味がある。

大きな成果には過程があり、歴史がある。多くの人の信念に基づいた長い長い努力があってその歴史は動くのである。宿沢さんも平尾さんもこれを奇跡とは思わないだろう。お二人は天国で「ほら見ろ、だからやればできるって言っただろ」と笑っているはずだ。




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