自己紹介乙
今日は少し毒を吐きます。昨日の植松氏の動画は清涼剤でありビタミンであり良薬でもあったでしょう。昨日、僕がFacebookに上げた投稿の良い部分は全て植松氏が成したもので、僕が良い事を書いた訳ではありませんが、バランスを取りたいので今日は毒を吐きます。
【自己紹介乙】というネットスラングがあります。【じこしょうかいおつ】と読み、成り立ちは【自己紹介お疲れ様】から来ています。
主に匿名掲示板でのやりとりの中で使われるものでありまして、互いが出自不明の名無しの権兵衛である中での定型句であるようです。
顔の見えない、辛うじて割り振られたIDナンバーだけで違いを判別する場である匿名掲示板で、誰かの人格を攻撃する時に「どうせ、オマエなんて低学歴でブサイクでモテないニートなんだろ!」みたいな罵倒をした場合、その罵倒から、罵倒した本人の人格のプロファイルが出来てしまう訳です。
すなわち、罵倒した本人が低学歴でブサイクでモテないニートで、自分でそれをコンプレックスとして持っているから、他人を罵倒する時にそれが出てしまう……みたいな話です。
また、本人がそのままそれに当てはまらなくとも、その人は学歴と容姿とモテと社会的立場を偏重して他人を判断し、それらのファクターで自分より勝る相手には卑屈に接し、劣る相手には横柄に接する人間であると言っているに等しい行為である……そんな話です。
顔の見えない匿名掲示板だからこそ、人間の負の側面が浮き彫りになって、テキストの羅列にさえ本性が表れてしまい、人の業が顕わになってしまうのでしょう。
だけども、【自己紹介乙】のケースみたいに本性がポロリと見えちゃうような事は実生活でも確かにありますよね。
部長「あれ? 新人の山田はどこ行った?」
A「さぁ? その辺でサボってるんじゃないですか」
B「見てませんね。でも、この会社を知るために色んなトコに顔を出して、観察してたりするんじゃないですか?」
みたいな【自己紹介乙】はいくらでもあるでしょうね。Aは自分が新人時代に隙あらばサボっていて、Bは自分が新人時代に精力的に会社を観察してきたと、言ってるように見えます。もしくは、Aはこれまでにサボる新人を数多く見てきて、Bは学ぼうと自発的に動く新人を数多く見てきたという事かも知れませんが。
経験豊富で頭の良い部長であれば、AとBそれぞれが前者のパターンなのか後者のパターンなのかをしっかり見抜く事ができるのでしょう。
僕達は、誰かが誰かを貶したり批判するのを見る時に、こういった事を忘れてはなりません。「ブサイク」と人を罵倒する人は、容姿を貶められる事こそが人が最も傷つく事だという価値観を持っている事を自ら吐露していますし、それが学歴であれ、年収であれ、誰かを傷つけようと自らの言葉をナイフに変える時、そのナイフはその人本人の弱点を示しています。
貶す行為は大抵【自己紹介乙】です。
ここからは僕の被害妄想で蛇足なのですが、例えば、僕のFacebookの投稿を見て「いい人に見られたくて必死だな」と言う人がいたなら、僕はその人を「あぁ、彼は自分がいい人に見られたい時に僕のようにふるまうんだな」とか、「この程度の文章表現が、彼にとっては必死にならなくちゃ出来ない事なんだな」と思えばよい訳です。これは飽くまで例であって、こんなことを僕に言ってきた人はいませんが。
被害妄想で蛇足ですが、分かりやすいかと思いますので書いておきます。
まぁ、愛の感じられない「コイツを貶してやれ、からかってやれ」という情念や、「コイツを傷つけたい!」という悪意を向けられただけで辟易としてしまいますが、誰かから不意に投げつけられる誹謗中傷から受けるダメージは、その罵倒の土台を理解する事で軽減できるのではないかと思います。
そして、【自己紹介乙】というこれらの例を知っていれば、むやみに人を貶すという行為が自分の人格が解析される恥ずかしさや恐ろしさに繋がりますから、人を貶す行為の抑制にもなるかと思います。
ネットスラングなんて良いものじゃありませんが、人を貶す行為の抑制になるのなら、それは良いのかな、なんて思います。
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