日本で「出る杭」の私が遠慮しすぎと言われた件について
2002年、英語の先生の発音を挙手して直したことがあった。初めて日本の学校に編入入学した私が犯した最初のミスだった。以来、特に日本では、私は「我が強い」と言われてきたが…
人生2回目のイスラエル
10歳の時に一度、所属していた競泳チームの合宿でイスラエルに行って以来、2度目の訪問が2016年11月だった。フランスに留学中だった私は、クラスメイト数人とイスラエルに向かったが、現地では一人行動した。
Startup Nation (起業国家)と言われる国の起業家精神についてもっと知りたかったので、観光地へは行かず、ビジネス街のテルアビブで時間を使った。
クラスメイトの力を借りて事前にアポを取っていた数名の起業家と会って、話を聞いた。
イスラエルの国民性
最高責任者(または社長さん)3、4名とお会いしたが、全員:
ちょい遅刻(5−15分)してきた。
体がでかい(ガタイも良いし、背も高い)し声もでかい。
通常3年の兵役を2年延長して戦闘経験があった。
なぜイスラエルは起業家精神が旺盛なのかと聞くと:
人に指図を受けるのが嫌な人が多い。
上司をバカにする傾向にある。自信家が多い。
リアル戦闘を経験すると会社員生活は生ぬるい
失敗が許される社会(起業は失敗してなんぼ、くらいの勢い)
上記に加え、滞在中に接した人、クライスメイトなどの印象も含めると、イスラエルの国人生は:
とにかくでかい(声、表現、意見、態度、ハート)
地中海のゆるさがある(遅刻、細かいことを気にしない)
お節介(初対面でも世話が焼ける)
私の解釈でしかないが、良くも悪くも常時戦争をしているからか「生きていればなんとでもなる」くらいの大らかさが感じられた。見習いたい姿勢である。
結婚してから訪問したイスラエル
結婚してからイスラエルに行ったのは2019年5月。旦那の実家に滞在させてもらった。
「飲み物、冷蔵庫からのつまみ食い、セルフサービスでいつでもどうぞ。くつろいでね」と言われ、最初は違和感だらけのスタートだった。
第一、小腹が空いたからといって、人様の家で勝手に冷蔵庫を開けてどうしろというのだ。
2、3日経つと冷蔵庫を勝手に開けることにも、意見を自由にいうことにも慣れていた。一切気を使わなくて良い結婚生活の晴々しいスタートだ、くらいに大喜びしていた矢先に言われた一言:
「いや、これが本当の私なんです」と言い返したが、その後も滞在中に「もっと我を出しなさい」と言われて途方に暮れた。
もう一人の嫁を見てびっくり
滞在中のある週末、旦那の兄夫婦も実家に来ていた。
昼食の後、ビール片手に全員でトランプをした。
「ちょっとオリット(義理母の名前)!いつもそうやってズルする方法ばっか考えてー」と叫んだのは旦那の兄のお嫁さん。
「嘘ばっかつくなよ!」とさらに罵声。
ゲーム中なのでもちろん雰囲気はフレンドリーだが、遠慮のかけらも感じない言い方と声のトーンには空いた口が閉まらなかった。
そして思ったのだった「確かにこれじゃ私が遠慮していると思われるよな」と。でも、だからと言って義理の親に同じ目線で罵声を浴びさせる気がしなかった。
3年経った今
結婚して早いものでもう3年になる。私と義理家族の関係はというと、対して何も変わっていない。
当時「遠慮していない」と言った私の言葉がどうやら本当であったことを義理の家族は受け入れてくれたようだ。私も、無理に自分の態度を変えようとはしなかった。
日本で「出る杭」「強そうな女性」「我が強い」と散々言われている私だが、世界に出ると大したことないようだ。世界は広いねー。