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人生、何色めがねで見てますか?

私たちは、本当には目の前のことを「そのまま」見ていない気がする。色々なめがねを通して見る世界も面白いが、そのままの世界もなかなか美しい。

32歳で第1子を産んでから

2年前、長女を産んだ。当時アマゾンに勤務していた私は、出産前後に休暇を取った。
そして、ひょんなことから産休中にEkolokalをヘレンと起業した。プロジェクトの新しい仲間や、業界の先輩方との情報交換をZoomで行い「初めまして」のご挨拶が続いた。

ミーティング冒頭の自己紹介中に「先週退院したので娘が泣いたらカメラ切って授乳するかもしれません」などと断りを入れるようにしていた。これに対し、3回に1回は:

え、お子さんいるようには見えません!

と言われた。断っておくが、退院後で、且つ初めての子育てだったため、ノーメイクの状態でミーティングに参加しているため、若造りはしていない(というか身だしなみは最低限の配慮しかできていなかった)。

「幼く見えるのか?」「相当若く見えるのか?」「母親っぽく見えないということか?」と、脳内は色々なリアクションをしたが、真相はわからない。ただ、一つ言えるのは「ママとは◯◯」というイメージは巷にあるようだ。私が見た目上は当てはまらないだけで。

2年ぶりの歯医者で

自信持って言えることではないが、私は気づいたら歯医者に行くのを忘れていることが多い。気付いたら2年間行っていない。

最近寝不足続きで、体の小さな不調がちょくちょく出現する中、ついに先週虫歯のような歯と顎の痛みが始まった。

しまった。これは相当な虫歯かも

と焦った。(虫歯になったことがないので、実は想像上の「虫歯の痛み」を思い浮かべている)。

緊急で歯医者さんに診てもらいに行った。
「あら、2年ぶりね!」と言われるなど、ちょっと気まずい上に、これから虫歯を発見してもらうんだと思うと気が重かった。

元気でした?などと聞かれる中、さらっと「あれからもう一人産みました」と近況報告をしたら:

やっぱりママは忙しいからね。歯医者も後回しになるよね。

と、言われた。

おや?私はこの2年の間に旅行も数回したし、ディズニーランドや水族館も行ったぞ(笑)

私はママだから2年歯医者に行かなかったのではない。ただただ、後回しにしただけなのだ。
(ところで、虫歯は皆無だった…おそらく軽い副鼻腔炎と自己診断している)。

メガネをかけていない子供から得たヒント

2歳の子ならよくあることだと思うが、用意したご飯を拒否されることがある。常にその心構えはしてあるので簡単な代替案は提示できるようにしている

うちの娘は、全粒粉のうどんや十割蕎麦は大好きなのに、全粒粉のスパゲティは食べない。どう見ても同じものにしか見えないが、本人なりに違いがあるのだろう。

「うどんだよー」と誤魔化してパスタを出したこともあったが、バレてからは嘘をつくのをやめた

ある日、スパゲッティを出したが、代替案が冷蔵庫にある冷や飯しかなかった。旦那も私も、代替案には意地でも時間をかけないマイルールのようなものがある。いくら代替案でも、2種類ご飯を作るのは嫌なのだ。

なので、その冷や飯をそのまま出してみた。すると:

おっ!ご飯冷たい!

と言われ、内心少しだけ申し訳なさを感じた。冷や飯をそのまま食べるのはお弁当でも嫌だ。惨めな気持ちになる(私は)。と思っていたら:

冷たいご飯美味しいねぇ。おかわり!

をいただきました。笑

娘は「冷や飯=惨め」というメガネをかけていない。そのままの状態の冷たいご飯を食べてみて、どうやら美味しさを見出したようだ。あれからもたまに「冷たいご飯ほしい」とリクエストが来る。

さらに散歩でも

星のことをなぜか「きらきら」という<名詞>を使う娘。綺麗な黄金のイチョウの落ち葉をみると「きらきらの葉っぱ取って」と依頼される。

ベビーカーに絡まったり、靴にひっついたり、滑る要因になったりする落ち葉に尊さを感じたことはなかったが、言われてみると地面が星空の様だ。そんな星空から星を一つ拝借して、娘に渡してみた。

色眼鏡を外してみる

そのままの世界を見て、生きている子供の発言から得る気づきは多い。
落ち葉が星空になったり、
パンが恐竜になったり、
冷や飯がご馳走になったり。

物事の風景だけでなく、状況や人を見るときも外してみてはどうだろうか。
母親は「ママらしく」あるべきなのか。(私がそう見えない所以がいまだにわからない)
女性は子育てに追われているものなのか。
保護犬は「クセあり・訳あり」なのだろうか。

私は私であり、たまたま母親でもある。そして、大した理由も無く歯医者はサボりがちだ。たとえ私が独身で子供がいなくても、きっと歯医者はこの2年行かなかっただろう。

メガネを外すと世界は美しく、一人一人の個性もはっきり見えるのではないか。そう感じた今日この頃である。

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